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当地で食品の検疫や認証を管轄する国立食品・医薬品研究所 (Invima) 代表のフランシス
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養豚生産、輸入、価格、および一般的な豚肉生産が好調である。豚肉生産者連盟(Pork Col
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先日のににっけ 写真 先日の日系人の集まりで作ったいなり寿司 生活は7割主婦なので、普段考
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当地経済紙Agronegocio(2022年10月21日付)によると、黒いカルメンタ(CA
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パルミラ市のコロンビア国立大学 (UNAL) でバナナネモグリセンチュウ(線虫)の新種を発
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3 月以降、ロシア・ウクライナ間の戦争が小麦の先物買いの引き金となっている。エネルギー原料
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加工飲料や食品、甘味料に含まれる乳製品への課税に強硬し反対し、ロビー活動が盛んになっている
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当地経済紙AGRONEGOCIO(2022年10月24日付)によると、2021年コカインを
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当地花卉生産者連盟(Asocolflores)によると、約11のコロンビア花卉生産者が10
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2022年10月、コロンビア農業省は11月18日~12月31日までに購入された肥料や農機、
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2022年10月、政党緑の同盟(Alianza Verde)アンドレア・パディラ・ビジャラ
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2022年10月、正式にSENA(国立職業学校)と米粉クラスを開講しました。メール一本で始
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コロンビア養鶏業は近年大幅な成長を遂げており、牧畜部門GDPで 約36.5%、同農業部門で
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企業監督庁の発表(2022年9月20日付)によると、カリ市を拠点に全国に多数の店舗を構えた
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コロンビア産肉(牛肉・豚肉・鶏肉) キューバ向けの輸出拡大へ

当地で食品の検疫や認証を管轄する国立食品・医薬品研究所 (Invima) 代表のフランシスコ・ロッシによると、キューバの国立動物研究所 (Cenasa) および同国の在コロンビア大使と会談し、両国の貿易拡大を約束した。具体的には同国向けの牛肉、豚肉、鶏肉、乳製品、肉加工品類の輸出品目が増大することとなる。


数字でみると小さいが、両国の貿易は知られざる友好関係にある。さかのぼること2016年、キューバの保健当局がコロンビアのコーヒー農園を訪問し、当地の10の乳製品加工工場・4つの缶詰肉製品・4つの燻製肉製品(加工肉)、および11の牛肉が同国に輸出されるきっかけとなった。ただし、キューバ側の輸入許可は2年間の期間限定であり、その後コロナ禍と重なり活発な貿易が行われることはなかった。一方2020年に乳製品輸出のための輸出延長手続きが行われ、肉類の輸出延長にも弾みをつけることとなった。


キューバ側の訪コロンビアは 11 月 17 日まで実施され、輸入認証するための監査のシミュレーションも行われた。
品揃えの悪いバハナのスーパーで、コロンビア産の肉が今後消費者の関心の的となることは間違いなさそうだ。

2022年 豚肉の生産量は6.9%増加の見込み 脱輸入で競争力獲得なるか

養豚生産、輸入、価格、および一般的な豚肉生産が好調である。豚肉生産者連盟(Pork Colombia)によると2022 年には前年比6.9% 生産増を見込んでおり、2021 年の 4.9% 増を上回ることが確実となった。


同連盟によると2022 年1月~9月間までの豚肉生産量は計38万3,535トンを記録し、2021年の35万9,749 トンと比較して前年比6.9%増となった。

好調な生産に影を落とすのは小売価格である。生産者連盟によると2016 年9月では 1 キロあたり平均 5,078 ペソ(約144円)、2017 年9月にはわずかに上昇し5,170ペソ(147円)にとどまっていた。しかし、2022年9月では8.342ペソ(237円)と上昇し、消費者にとっては鶏肉と比べ割高な印象がある。


輸入状況をみよう。ポークコロンビアのデータによると、1 月~8 月までの累積輸入量は 9万4,400 トンで、前年同期比39%増となった。主な輸入相手国は米国が 72.5%、チリが 14.1%、EU が 8.7%、カナダが 4.7% と続きFTAの恩恵を受けていることがわかる。

また、輸入された豚肉の 94.3% は肉の切り身で、残りは骨がついたままの枝肉(0.5%) と皮、脂肪(ラード)となるそうだ。
国産豚肉の消費量は、2022 年8月時点で 43万3トンと推定され、全国生産量の 78%を占め、前年比とさほど変わらないペースであることがわかった。
コロンビアの豚肉部門が直面している主要課題は輸入とのバランスである。2019年から輸入代替プログラム(国内養豚保護と競争力強化)を実施しており、これは養豚農家と輸入企業との間で中長期的な取引関係を確立し、輸入製品を国内生産に置き換える方針という。それいに伴い、豚の飼料となる大豆やトウモロコシの需要は増えていくとみられ、今後豚飼育の監視システムやスマート農業アプリなど、外国企業にとっては参入に適した時期ともいえそうだ。

<コラム> コロンビアで日本語教育するということ

先日のににっけ

写真 先日の日系人の集まりで作ったいなり寿司

生活は7割主婦なので、普段考え事は夕飯と明日のお弁当とおやつで占められている。いかに冷蔵庫をすっきりさせるかが。決まった曜日にしか買い物に行かないし、作り置きもせずその日作りたいものを作る。


こちらの生活で何がつらいって、お弁当で冷凍食品が使えないことに尽きる。コロッケとかレンコンのはさみ揚げとか、手作りするには工程が多いけど一気に外食感の出るズルができない。す・べ・て・手作り!! もちろん、上の子の学校は有料の給食もあるのだけど、下の子の保育園がお弁当なので1個作るなら2個も一緒なのと、上の子がコロンビア料理で口に合わないものも多く、結局注文せず週5でお弁当を作っている。だいたいいつも同じ。焼き鮭、たまごやき、ウィンナー・・・。それでも「色んな食べ物が小さくちょこちょこ入っている」というのは興味深いらしく、「今日も写真撮ったわよ~」と先生に言われて冷や汗かくことも。毎日のことを趣味にするのはコスパがいいので、寝る前にお弁当作りの本をチラ見したり(決して熟読ではない)、おにぎりに海苔を貼ってひんしゅくを買ったり(キャラ弁は作り手の自己満足という清水ミチコの言葉が刺さるぅ~っ!!)種々工夫しております。そして、この4時45分起き生活にもすっかり慣れて土日も変わらない。


さて、先日上の子の通うインターナショナルスクールの先生と個別に面談を設けていただいた。学校側が設定したものではなく、こちら(親)が話し合いたいとメールし、スクールカウンセラー同席のもとで、月曜日の放課後。いつもスクールバスで降園する子どもは他の先生方のミーティングの円の真ん中で積み木遊びをして、離れた部屋で私達はコーヒーを飲みながらの和気あいあいとした雰囲気だった。


テーマは「スペイン語の上達」。5歳とはいえ、まだほかのコロンビア人と比較してボキャブラリーの少なさは否定できない上写真嫌いでハイハーイ!と手をあげて発言するタイプでもない。じっと観察して輪に入るタイプのくせに、仲良しの子とは果てしなくお調子者にもなり(壁に黒マジックでいたずら書きするという前科あり)、かと思うと発言が求められる場では黙る子ども。いずれは英語の授業が占めていくのだけど、ほぼコロンビア人と育つので、スペイン語からは逃れられない。「もっと話せるようになるよう、おうちでもスペイン語の時間をつくってみて!」と。


うちはまず、親がスペイン語を話すことを子どもが嫌がる。そして、日本語は大好きで毎日ドリルを進めてひらがなの読み書きも問題ない。早急に成果を求めず、このまま日本語を第一にスペイン語は二番目、英語は三番目で長い目でみていけたら・・・と伝えたかったのだ。


「もちろん、日本語が第一なのはとってもいいこと。ぜひ続けて。でも、20分だけでもいいから、スペイン語クイズ~って感じで、おうちで話す時間をつくったらどう?」。メールなら「うちの方針では日本語のみなので」と返したかもしれないけど、カウンセラーの優しい言い方に、「それもいいかな。やってみたい」と素直に思えた。そして今1か月弱実践し、スペイン語クイズは寝る前の定番のお楽しみタイムに。下の子も張り切って参加している。その結果かはわからないけど、前にも増してスペイン語が流暢になったそう。子どもの成長力の早さに改めて脱帽し、「すぐに日本語の心配をするようになるよ」という誰かのアドバイスを思い出している。
そんな中、先日こちらに嫁いで65年という日本人女性と話した。日系人と結婚したものの相手はすでにスペイン語のほうが得意だったため、こちらで産んだ4人の子どもは日本語を話すことはないという(コロンビア日系社会ではこのケースがとても多い)。


「子どもと日本語で話せないのは寂しくないですか」と不躾な質問をした私に、「そんなこと考えなかった。考える余裕もなかった」と返した女性。写真でお見合いをして嫁ぎ、パナマの経由地で和服に着替えてコロンビアに降り立った二十歳の若い頃。そこから65年、子供、孫、ひ孫ととても満たされた生活をしていて、バイタリティにあふれている。


私が子どもの日本語習得を妥協できないのは、こうした彼女達の生の声を聞ける人間であってほしい、と心から思うからなのだ。

「黒いカルメンタ」とは? コロンビア・カカオ栽培への影響

当地経済紙Agronegocio(2022年10月21日付)によると、黒いカルメンタ(CARMENTA NEGRA)と呼ばれる害虫がコロンビアカカオの生産に深刻な被害を与え、その生産損失が50%以上に拡大していることがわかった。


温暖化はじめ気候変動の影響によって、当地では病害虫発生時期の早期化、発生量の増加、発生地域の拡大がとまらない。カカオでは種子に穴を開ける病害虫の「黒いカルメンタ」の発生が深刻化しており、植物検疫のハードルが高くなっている。コロンビア農業研究公社 (Agrosavia) によると、種子への直接的な被害により50% 以上の生産損失を引き起こしているという(2022年)。


同病害虫への対策として有効なのは害虫の把握である。黒いカルメンタは卵、幼虫、さなぎ、成虫、の 4段階から成り、約 57 日で生長する。繁殖のための交配は、環境条件が良好な巣で行われており、メスはまだ熟していないカカオの果実に卵を産みつける。通常、カカオ実の粗い溝の部であることが多く、幼虫が果実に侵入すると、種子に到達するまで穴を開けられてしまう。Agrosavia によると1 匹の幼虫は 3 ~ 4 個の種子を損傷するといい、最大8匹の幼虫となることもある。


いうまでもなく、病害虫の発生を予測するアラート等の監視システムの設置が肝要である。①逐次調査データを取り、次の栽培あるいは次の発育段階の発生量を予測する、②各地域における発生状況や被害状況等を共有するなどの手立てを活発化するしかない。
黒いカルメンタのまん延は、当地カカオ栽培に重大な損害を与えており、かつ県境を越えて拡大しているため、国と地方自治体の協力はもとより新たなプロジェクトを発動し、まん延を防止する方針であるという。無論、外国企業の技術誘致も視野にあるという。

新たなバナナの害虫種を特定 収量減少の一手となるか

パルミラ市のコロンビア国立大学 (UNAL) でバナナネモグリセンチュウ(線虫)の新種を発見した。

同じ病害虫は植物の根にもぐり込んで根を枯らしてしまう線虫で、土壌中の微生物や有機物を食べる。同大学はブエナベントゥーラで< P. alaucensis> 及び< R. similis >という新種を発見。パルミラの UNAL の分子生物学研究所での分子分析を通じて、線虫である分類学的同一性が確認された。どちらも根腐れの原因となるという。
コロンビアのバナナは約400種類あり、主にアンティオキア県から多く輸出されている。病害虫や雑草の被害により、収穫が皆無になったり、収量が大幅に減少することは国の死活問題でもあり、新たな病害虫の特定により防除の対策に役立てるという。

ウクライナ危機により、小麦とトウモロコシの価格が市場で再び上昇

3 月以降、ロシア・ウクライナ間の戦争が小麦の先物買いの引き金となっている。
エネルギー原料と同様、ここ数か月農産品価格は安定せず、10月下旬の小麦の価格はウクライナでの戦争勃発時に記録した最高値から 40% 近く下落した。一方、10月31日時点で価格は急上昇しており、シカゴ商品取引所(CBOT)の小麦先物価格は8%上昇し、2021年3月以来の高値である968.75米ドルに達した(前年同日251米ドル)背景にはウクライナ発の穀物輸出に関するロシアの合意を一時停止するという決定があったものと推定される。今後小麦価格が上昇すれば、代替品としてコロンビアで十分な自給率をもち、価格も安定している米粉が台頭しそうだ。


ロシアとウクライナの穀物輸出協定の一時停止の影響は、小麦価格だけにとどまらない。とうもろこしの価格は2022年10月31日CBOTで約3% 近く上昇し、7 月中旬から 3 か月半ぶりに最高値の695.5米ドルである(前年比約22%増)。需要はヤシ油の価格も押し上げている。その代替品としてウクライナの主要輸出産品であるヒマワリ油の供給にも注目が集まっている。

コロンビア乳牛協会 政府の新税に抗議

加工飲料や食品、甘味料に含まれる乳製品への課税に強硬し反対し、ロビー活動が盛んになっている(当地農業経済紙2022年10月28日付)。ゴンザレス会長が率いるコロンビア乳牛協会(Asoleche)は、政府の方針はSDGsのゴール1「飢餓ゼロ」の達成を無視した愚策で、食糧の安全保障に影響を与えると強調している。
政府は新税改革の一環として甘味料含む加工製品に含まれる乳製品に課税する方針である。これにより最終小売価格が上がり、庶民の栄養補給の担う乳製品の需要が低下すると生産者連盟は警鐘を鳴らす。
国連食糧農業機関 (FAO) によると、コロンビアの年間最低牛乳消費量は一人あたり148 リットルで、世界平均 170 リットルを下回っている。
当地の栄養状況調査 (Ensin) において、コロンビア人の 2 人に 1 人は毎日乳製品を食べる習慣がなく、85.3% が日常的に乳製品を食べていないとアンケートで回答している。価格が上昇すればますます乳製品離れが進み、特に中間層以下の栄養状況が悪化すると生産者連盟は主張しているようだ。
乳製品部門は国内で直接・間接含む 100 万人以上の雇用を生み出し、農業 GDP の約 12%、工業 GDP の 3.5% に貢献している(2022年Asoleche)。

コロンビア 違法作物の栽培が増加傾向に

当地経済紙AGRONEGOCIO(2022年10月24日付)によると、2021年コカインをはじめとする違法作物の播種面積(ヘクタール数)が 約43%増加し、結果コカイン生産量が14%増加していることがわかった。左翼ゲリラFARCとの内戦終結により社会的包括(ソーシャルインクルージョン)の段階にあるコロンビアで耳を疑うニュースであり、衝撃が走っている。


違法作物栽培面積は 2020 年の 14 万3,000 ヘクタールから 2021 年 20 万 4,000 ヘクタール以上となった。これは、コーヒーに次いで 2 番目に大きな農産物であるヤシの生産量のほぼ 3 分の 1 に相当するだけでなく、コカイン生産量は推定過去最高の1,400トンに達する想定という。2017 年 17万1,000ヘクタールであった違法作物栽培面積は2021年20万4,000ヘクタールで4年間の上昇率は19.2% であるものの、2010年の5万1,000 ヘクタールと比較すると 300%の増加である。
さらに全違法作物の 62% がナリーニョ県、ノルテデサンタンデール県、プトゥマヨ県にあることがわかった。コカイン栽培の 45% は 10 の自治体に分散され、そのうち約半数が森林保護区や先住民保護地区など特別な管理地域にあり、生活苦の少数民族らが栽培に加担している可能性が高い。

ネストール・イバン・オスナ法務大臣はコロンビアの反麻薬対策の責任者である。和平交渉締結後の代替作物促進の方向性が機能していないことに対し、政府はコカイン取引を合法化するつもりはないと断言するにとどめ、衝撃を隠さなかった。
しかし、これらの現況は看過できる問題ではない。違法作物に手を染めざるを得ない地方の経済状況、地下経済の横行、選択肢のなさなどが現場を苦しめている。


政府は今後とも土地の代替、作物の代替、および包括的な薬物政策を促進し、違法作物栽培の解決策を提案し続けるという。

和平交渉後の農業政策の難しさが浮き彫りとなっている。

コロンビアの花卉部門からみるコロンビア農村女性の就労状況

当地花卉生産者連盟(Asocolflores)によると、約11のコロンビア花卉生産者が10月18日カナダのオンタリオ州で170件のビジネスマッチングに参加した。コロナ以前の経済活動に戻りつつあるコロンビアにとって、花卉は安定したビジネス源となっている。


同部門は2022 年 1 月~8 月期で約 4,800 万米ドルを輸出しており、前年比4.1%増 である。特にカナダは重要な輸出仕向先であり、約57.3% のシェアを占めるほか(第一位米国)、バラ、カーネーション、菊の順でコロンビアの花が好まれている。


コロンビアの花卉産業従事者は国内で約20万人の直接・間接雇用を創出し、農村の居住する女性の 25%が花卉で生計を立てている。収穫した花をきれいに整えて梱包する作業と、次の作付けに備えた種子・球根の準備は女性の手作業が中心だ。一方、薬品にふれたり気温の低い工場での立ち作業が多く、あまり快適な労働環境ではないことも指摘されている。多くの女性たちは、最低賃金かそれより少し高いくらいで働くことを受け入れている。具体的には、安い賃金でも働いて少しでも家計の助けになりたいこと、他の働き口が男性ほど多くないことが理由である。まして非正規雇用が半数を超えるコロンビアにおいて、最低賃金を保証してくれる会社は決して当たり前ではない。


安い賃金で働いてもよいと思う女性が多いこと、彼女たちの生活をよりよくするためにはどうしたらよいのか、経済発展につられず今一度考えてみる必要があるだろう。

農業省 小規模生産者向けに期間限定の農業資材購入費補助へ

2022年10月、コロンビア農業省は11月18日~12月31日までに購入された肥料や農機、試薬等の農業資材を対象に、一部の小規模生産者に対し購入費用の20%を補助すると発表。総額は 800 億ペソ(約25億2,978万円)となり、約12万人の生産者が恩恵を受けると予測している。

食料インフレへの対応、中期的な食糧供給を目的に期間限定ではあるが救済策となりそうだ。トウモロコシ、バナナ、米、ジャガイモ、キャッサバ、タマネギ、オレンジ、ニンジン、サトウキビ、ミニトマト、バナナ、トマト、ブラックベリー、マンゴー、レモン、パイナップル、ヤムイモ、豆、イチゴ、畜産部門では、養鶏、養豚、水産養殖、家畜、羊、ヤギの小規模業者を対象に、農業に必要な資材の購入の20%を政府が負担する。高騰する小売価格に貢献するためには、まず生産コストを引き下げるべきだという大臣の鶴の一声によるものだ。小規模生産者に該当するかは事前登録制となる。来月までの 1か月の猶予の間に具体的な登録方法を公示するという(このあたりの見切り発車がコロンビアらしい)。
農業省によるとBanco Agrario カードを持っている人は直接購入時に20%の割引を受ける方向という。カードを持っていない人はオンライン決済時に直接割引とするか、払い戻しとする今月中に詰めていくようだ。
個人的には、一時的な現金救済策よりも農機のサブスク、農機具宅配シェアリングやレンタルフリー等、より長い目でみた政策がコロンビアには必要と考える。「農機は個人所有」を前提に進む農業に一矢を投じるアイデアを打ち込んでみたい・・・と思うニュースである。

コラム コロンビアで闘鶏が禁止へ 動物愛護法が強化

2022年10月、政党緑の同盟(Alianza Verde)アンドレア・パディラ・ビジャラーガ上院議員が議会に提出した法令085号が大きな論争を巻き起こしている。
動物による娯楽行為(闘牛、闘鶏)を段階的に禁止する目的で、動物愛護団体による多くの賛同が得られているものの、闘鶏業界は今月に入って2回抗議活動を起こしている。

コロンビア国内の700万から800万羽のオンドリのうち、約300万羽が闘鶏という。

全国24ある闘鶏を統括するGallistic Federation 代表エリアス・マノータス氏は闘鶏禁止は低所得層にある29万人が失業すると主張し、国の経済活動をとめると断言している。

闘鶏は維持するだけでお金がかかる。飼料のトウモロコシ(60%)、小麦、エンドウ豆、レンズ豆、米などの穀物を毎月約 2万1,500 トン購入するほか、それ以外にも薬、ビタミン、ケージ、木枠、および鶏を良好な状態に保つために必要なすべてのものなど毎月 220 億ペソ(約7,000万円)の維持費がかかる。加えて雇用している人員(全国で計12万5,000人 の直接雇用と 16万5,000人の間接雇用)の給与、社会保障を加えると毎年40億ペソ(約1億2,700万円)の市場となる。闘鶏自体はコロンビア全土1,000を超える地方自治体に約1万500の闘鶏場があるという。週に約57万の集客があると明記しており、賭博の対象であることは暗黙の了解である(Gallistic Federacion)。

動物の受ける肉体的・心理的苦痛や程度、方法の相当性などの要素を鑑みると、廃止の方向に傾くのは不可避である。

収入資源としての位置づけの要素を自治体がどのように考慮するのか、個人的には違法賭博として地下経済に残るのみと予測する。

「だから言わんこっちゃいない」を抱きしめて。

2022年10月、正式にSENA(国立職業学校)と米粉クラスを開講しました。メール一本で始まったこの案件も、担当者とカフェで話し込み、一度お試しでやらせてもらい、担当講師の選定、履歴書もいただき、待ちに待った本番。現時点の計画は今年いっぱい6回のクラスを開催し、その間に来年度の仕込みをしていくというもの。本件は「コメ農家に嫁いだ女性達への社会的活動」というミッションのほかに、SENAとコラボするのは「低所得層で学習意欲のある若者への一助となるなら」という思いがあってこそ(SENAは全額無償の教育機関)。関係者は万感の思い・・・というより、まあフットワーク軽く「やってみましょう!」という雰囲気。


講師に「いつリハーサルする?」と相談すると、「材料費が高騰して実際の講習以外では使えなくなった。なのでぶっつけ本番でいいよね」というメッセージが。慌てて彼の上司に「料理教室で当日いきなり作って教えるなんて無理ですよ」と掛け合いましたが、「あなたたちのレシピ動画観てわかるって言ってるから、大丈夫!」というお気楽な回答。材料費負担するので我が家で作ってみないか、それが難しいなら必要経費は出すのであなたの自宅でも・・・等提案しましたが結局まとまらず。


でも、10年住んでるとわかるのです。彼はリハーサルしたくないのだと。面倒だし自分はできると思っている。最後のほうはとりあえず言われた通りにやってもらおうと腹くくりました。それが一番早いから。イヤイヤ期の子ども対応と似てるわ・・・と思いつつ、当日です。

生徒の集まりもまずまず。材料だけ書かれたレシピ(初歩的なクッキーとロールケーキの2作品)を手に講師が軽く説明し(事前に米粉の特質について説明してね、と言いましたが安定のグルテンフリー一点張りでまあそれはよしとしよう。私が次回から資料をまとめればいい)、

計量からスタート。

時間がかかりだしたのは混ぜる工程。日本のレシピだと、粉がしっとりしない。早速動画とは違います。私が試作したコロンビア産米粉のメーカーの担当者は情報を照会しておきましたが、SENA側は違うメーカーの米粉を購入したようで、やってみないと分からない。スペックとは違う粉が入っている可能性もあるので、粒子をさわってみて、色を比較して、水で溶いてみないと分からない。


米粉はいくら混ぜてもグルテンが発生しないので、混ぜたいだけ混ぜればいいのですが、それにしても生地がまとまらず。失敗の予感しかしません。このころには「クラスが失敗した場合、講師はどのようにフォローし挽回するのかを見たい」一心で見守ります。

生地はしっとりふわふわにはならず、若干固め。これを無理に巻いて、中のクリームもだらんという有様。商品にはなりません。


クッキーも、何とか絞りだすところまでは頑張りましたが(オリジナルレシピとは違うやり方)、思いっきり焼きの工程で失敗。明らかに油分と粉のバランスが悪かったのでさもありなんです。

ただ、焼き上がりのアツアツだと生徒が気を使って「味は・・・おいしい・・・かな?」とフォロー。「うそつけ~!!」と思いましたが、バツの悪そうな講師をみていると私もお口を慎み、翌日SENA側に今後の改善点をメールで申し入れました。今していることはきっと意味があるけど、失敗作を連続して作ればいいわけではない。間違った努力なら、しないほうがおたがいの時間の無駄を省けるはず。

コロンビアは始めるまでは運の良さで乗り切れますが、一旦開始してからの修正しながら走り続けるのが体力が要ります。

12月までにどう、彼らとコミュニケーションをとっていくか。まあ、何事も最初はうまくいかないほうが思い出になるし・・・!!と鼓舞して進めていきます。

胃袋の増えるコロンビアで養鶏事業にビジネスチャンスありか
環境分野との連携に注目

コロンビア養鶏業は近年大幅な成長を遂げており、牧畜部門GDPで 約36.5%、同農業部門で約14.3%、同国家全体の0.7%を占めている(DANE, 2022年)。全国には2,000を超える養鶏場があり、卵は当地で30個で最終小売価格約16,000ペソ(約504円)で販売されている。

一方、成長市場である養鶏業には杜撰な管理による固形廃棄物等、解決すべき環境問題も堆積しているようだ(当地経済紙AGRINEGOCIO, 2022年9月28日付)。
家禽の生産プロセスは決してクリーンではなく、窒素、リン、硫黄などの高濃度の温室効果ガスを排出することがすでに指摘されている。糞尿生産等大量の有機物にも生み出すほか、水源を汚染する可能性のある農薬、消毒剤、動物用医薬品などの資材投入も、環境への不可は想像に難くない。


コロンビアの家禽セクターでは、養鶏生産者連盟Fenavi によって策定された持続可能な生産のガイドラインがあり、業界のすべての企業が遵守する必要がある。同ガイドラインでは、バイオセキュリティと動物福祉の分野が特に考慮されているほか、水の管理、廃棄物の封じ込め、臭気の軽減などのルールがある。

特に堆肥化は外国企業にとって投資チャンスとなりうるキーワードである。有機物の急速な分解により、動物の排泄物を肥料などの製品にスマートに変換できるプロセスは、当地にはまだない。今後、耕種農家の要望に沿った窒素含有量の高い堆肥が実現できれば、鶏卵価格が下落した場合のセカンドビジネスとして心強いオプションとなるほか、散布作業や輸送に有利な運搬方法の提示等、狭い国土で養鶏を行ってきた日本企業には提案のし甲斐があるかもしれない。


また、もう一点水管理の向上も課題である。感染症が広がる媒体になるものが鶏用の飲料水であり、衛生管理の根幹である。現実は未だ水をろ過するための井戸の面積に関するルールが徹底されていない状況である(ガイドラインでは井戸の底は、地下水面から少なくとも 2 メートル上にある必要があると謳っているものの、効果に対して疑問)。


鶏舎内環境を改良できる、新しい養鶏ビジネスの需要が高まっている。

破産したカリ市の地場スーパーマーケットLa 14、従業員への補償金支払いが完了

企業監督庁の発表(2022年9月20日付)によると、カリ市を拠点に全国に多数の店舗を構えたスーパーマーケットチェーン La 14(2020年破産手続き開始。本社首都ボゴタ)はこれまで退職した全従業員計1,559 人の退職補償金約242億3,159万ペソ(約7億7,958万円)の支払いを完了したと発表した。

その現金調達にあたって発表は、不動産の返還、10 の自社店舗使用・賃貸(同スーパーマーケットは国内最大手小売店Exitoグループが買収)等で工面したと思われる。
La 14元従業員への補償を巡っては、上記Exitoグループへの継続雇用でこたえていたものの、3,500 人を超える債権者は司法活動を継続し、資産管理を公にするよう求めてきた。現在、La14は最終的な会社清算手続きに入っており、残るは公聴会での資産目録公表のみであるとされる。
La14はカリ市で58年前に文房具店から創業した老舗スーパーマーケットである。2017 年半ばより多くの財政問題を抱え始め、翌2018年センセーショナルに表面化した。2年後の 2020 年、パンデミックにより深刻な財政的打撃を受け巨額の負債が明らかになり、会社継続の道はなくなった。 主な会社破産の決定打はD1、Ara, Justo&Bueno等の低所得者層~中間層をターゲットにした小売店の台頭である。 ボゴタ本社は 2020 年 11 月 16 日に閉鎖され、同年 9 月、破産手続局を通じて、司法清算手続きの開始。

現在は完全に閉鎖しているものの、後継スーパー等では、La14のロゴの入ったエコバッグが未だに陳列されている。

カリ市民にとっては寂しいニュースである。