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今朝のニュースで参議院議員の初当院がとりあげられており、一年生議員が「野菜の値段をすぐに言
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当地にも様々な日本人がいますが、学生(修士)として足を踏み入れ、会社員、そして独立後は経営
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当地経済紙Portafolio(2022年8月1日付)によると、動物由来ではないタンパク質
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2022年7月27日、Arroz Supremoは、当地北東部カサナレの自由貿易地区ヌンチ
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当地経済紙Portafolio(2022/7/21付)によると、コロンビア北西部メデジンを
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場所を選ばずインターネットで仕事をする人に、「コロンビアを拠点に働く」という選択肢ができそ
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2022年、クルマの購入にあたり普通運転免許取得した忘備録です。 人口300万のカリではU
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経済協力開発機構(OECD)と国連食糧農業機関(FAO)の最新報告によると、中南米全体の一
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コロンビア33の県に約32万6,000人の受講生を抱えるSENAは、全てのクラスを無料で開
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7月2日、稲作地帯として知られるイバゲ市において、同地のコメから製作した米粉を使って初とな
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地経済紙Portafolio(2022年6月29日付)によると、2021年の小売チェーンと
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2022年8月1日~6日、コロンビア第三の都市で南西部に位置するカリ市に世界中から1,50
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前ボゴタ市長で左翼ゲリラにも所属していた過去をもつグスタボ・ペトロ氏は得票率は50.44%
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日本の約3倍の国土をもつ当地はアンデス山脈が縦横に走り、その豊かな標高差がコーヒー栽培やフ
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コラム 野菜の値段がそらで言えますか?

今朝のニュースで参議院議員の初当院がとりあげられており、一年生議員が「野菜の値段をすぐに言える市民感覚を持ち続けたい」と決意を語っていました。野菜の値段が言えない議員がいることに驚きつつ、クルマで10分のスーパーマーケットへ。うちがひいきにしてるそこは、毎週木曜日野菜とフルーツが20%オフなのでいつもまとめ買いしています。(ちなみに、外国でフルーツは野菜と同じ概念ですよね。当たり前のように同じ広さのコーナーをとっているし、毎日の摂取量も野菜と変わらない)そして朝の早い南米で営業時間は朝7時から。到着したのは開店直後だったのでまばらと思いきや早速にぎわっています。

パイナップル、1か月前は一時500gで890 COPでしたが値上がり。


私がコロンビアに住んで約10年。毎年インフラが約8%ずつ進んでいるので、ペソ建ての物価は本当に上がりました。2022年8月の小売価格は以下の通りです(1 COP=0.031 JPY)
マッシュルーム(7個)150g: 5,000 COP (155 JPY)
卵(12個入): 7,450 COP (231 JPY)
ケチャップ小 200g: 2,150 COP (67 JPY)
ショウガ中 300g: 1,392 COP (43 JPY)
ニンジン中1本 300g: 998 COP (31 JPY)
ニンニク3個 100g: 1,141 COP (35 JPY)
長葱6本 900g : 4,198 COP (130 JPY)
青バナナ・プラタノ3本 900g: 2,673 COP (83 JPY)
バナナ5本 1kg: 1,800COP (55 JPY)
じゃがいも(メークイーン)3個430g: 1,300 COP (40JPY)
パパイヤ1個 1.9kg: 4,998 COP (155 JPY)
ライム2個 200g; 447 COP (14JPY)
パイナップル大1個 1,8kg: 3,570 COP (111 JPY)
紫キャベツ半玉 455g: 1,638 COP (51 JPY)
トマト中3個 430g: 1,300 COP (40 JPY)
ブロッコリー中1個 360g: 2,068 COP (64 JPY)
インゲン豆片手くらい 180g: 890 COP (28 JPY)


オーガニックの野菜以外はキノコ等を除いて基本的に必要な分だけ袋に入れて(無料)レジで計量・精算する仕組みです(ちなみにパナマだとちょっと前まで、青果コーナーの常駐スタッフに計量をお願いし値段シールを貼ってもらう決まりでしたねぇ。知らない観光客がそのまま持って行くとレジのお姉さんがついでにサボってるとしか思えない時間不在になってたなぁ)。大きな秤もあるので事前に値段を推定することも可能。

オーガニックコーナー。

ちなみにコロナ以前はきゅうり、ピーマン、オクラの日本野菜が売ってましたが最近はみなくなり、サツマイモだけ手に入るのみです。
ピッキングが終わるとレジで並んで(スーパーマーケットでセルフレジはまだ見たことありませんが、子供好きのコロンビア人はレジ待ち中もたくさん話しかけてきます)、必要ならばプラスチックのレジ袋を購入し(約9円/枚)終了。だいたい、野菜フルーツだけだったら、日本円で2,000円もあれば家族4人外食なしで乗り切れると思います。たんぱく質を含めるなら、別。

これでもだいぶ良くなった冷凍魚コーナー。冷蔵魚はありません。

魚が高いコロンビアですが最近アラもちらほら見かけるように(1パック約100円)。ただ惜しむらくは冷凍の質がとても悪く貧乏学生時代の霜とりを思い出します。冷凍技術で味は変わるらしいので、どこかの会社引っ張ってきたいな・・・とシミュレーションするひととき。

途上国は脱したけれど、まだ伸びしろのあるこの国が好きだと改めて感じる朝でした。

コラム コロンビアでの子育てで思うこと①ママ友という名の戦友。

当地にも様々な日本人がいますが、学生(修士)として足を踏み入れ、会社員、そして独立後は経営者でありフリーランス、また母親としてこの国に関わっている女性はあまり知りません。そんな視点から、今日は母親としての思い出を振り返ってみます。


上の子はギリギリまで妊婦健診を当地で受け、出産だけ日本に戻り生後3か月からカリ暮らしです。赤子を連れてこの土地に戻ると、日本のような公的な児童館や図書館はおろか、ふらっと歩いて行ける公園もありません。むしろ、舗装が整備されておらずベビーカーを押して家の外を歩くこともできないし、保健師訪問なんて皆無。気軽に話せる同年代の日本人すらいない状況。話し相手はパートナーのみでした。


赤ちゃんは生まれて6か月はなんだかんだ寝てばかり。何をしているというわけでもないのですが何にもできない。子どもを相手しながらできることって意外なほどないんです。寝てる間はPCを開いて、ボチボチ依頼のあった仕事ができますが、起きている間はずっとそばで本を読むか、授乳かおむつ替え。初めての子どもで私がまだ要領を得てなかった(そのわりに扱いは雑でよく2人目?ときかれましたが)こともあり「早くママ友がほしい」と痛切に思ってました。この時、抱っこ紐に子どもを入れて、歩いて5分のコロンビア日系人協会併設の図書館で絵本を読み聞かせるか、下のプールで足だけ遊ばせるだけ。気分転換に外を歩くとアジア人の赤ちゃんなんていないので、可愛いねとしょっちゅう声をかけられます。「うちにもこないだ甥っ子が産まれたんだ」なんてきくと、「えーっ! お願いだから紹介して!」なんて叫んだことさえありました。


そんな中、近くに幼児教育のジンボリーがあることを知って早速申し込んでみると、そこから音を立てて私の育児生活はにぎやかになりました。同じ月齢のママ友としょっちゅうコーヒーを飲み、動物園に繰り出し、家を行き来して子育ての悩みを共有する。日本のママ友と何ら変わりません。当地はお手伝いさんやベビーシッターを雇うことは珍しくないですが、たとえそんな恩恵を受けても4か月で子どもを預けて仕事復帰するしんどさ、私のように徐々に仕事再開する場合では常につきまとう中途半端感。毎日100%幸せなお母さんなんて一人もいませんでした。


コロンビアのいいところは、母親同士がファーストネームで呼びあいすぐに打ち解けるところ。もちろん今も子ども抜きで会うほど仲良く付き合っています。コロンビアでは、3歳から一貫校に入れることがよくあり、我が家も悩んだ末に小規模のインターナショナルスクールに入れました。そこは宗教色もなくアットホームなので、ジンボリーからのお友達も多くおさななじみらしく一緒に成長しています。そしてそれを見守る母親である私達も、2人目が生まれたり、離婚してシングルマザーになったり、内縁関係(Union Libre)を解消して新しい彼氏ができたり、5年経って見渡すとみんな新しいチャプターに入ってました。


いつも身なりに気を使い、女であることを楽しんでいるように見えるコロンビア人女性。授乳中でさえマニキュアと香水を欠かさない姿をみて、私も堂々とネイルサロンに通うようになりました。約束を「夫とのデートが入ったから」とドタキャンされて、「夫婦が人生の最小単位なんだ」と目が覚めました。だけど、そんないつも強くて自信たっぷりの彼女達でさえ夫の前妻との子ども関係に悩んだり、不妊手術を受けたり葛藤しています。普段、そんな内面は決して見せないけれど。


以前インスタを眺めていたとき、4年前の私のストーリーズに「彼女達に会えたから、私の出産は最高のタイミング」と書いてありました。それは今日に至るまで変わらない、偽らざる気持ちであり、私がこの国で育児して嬉しいと思う瞬間にはいつも、彼女達がいるのです。

ママ友という枠をすでに超えた、ただの愛すべき友人達ですが、小さな子ども達のくれた最大の贈り物でした。

コロンビアで植物性タンパク質摂取が増加傾向。フェイクミートの浸透じわり。

当地経済紙Portafolio(2022年8月1日付)によると、動物由来ではないタンパク質の売上がじわり増加を記録していることがわかった。外資系コンサルティング グループ (BCG) が実施した世界のさまざまな国(3,700 人の消費者を対象)に実施された調査によると、コロンビアでは動物由来ではない代替タンパク質が国内の小売スーパーマーケットで2020年から2021年の間に1.4%増加したという。


その背景には消費者のSDGsに対する理解及び認識の上昇があるとされ、当地調査対象総数のうち76%が「持続可能な社会」の枠組みを認識していると回答。約90%がこれらの製品の少なくとも 1つを好んで購入すると回答した。国内の 10 世帯に1 世帯が代替タンパク質を購入・消費しているという。


当地の全国畜産農家連盟会長であるホセ・フェリックス・ラフォリーは、「動物由来のタンパク質は人間の基本的な要素であると考えているが持続可能な食品の浸透も理解している」と述べるにとどまった。

回答者の約75%が代替タンパク質を摂取する主な動機として、より健康的な食事への関心を挙げたほか、 30% 以上は二酸化炭素の排出削減に効果を与えると思えた場合、食事を代替タンパク質に変更すると述べています。当地で流通している植物性タンパク質は、豆類(豆、ひよこ豆、えんどう豆、レンズ豆、大豆など)が好まれ、その他にも乾燥タイプの大豆ミートが大手スーパーマーケットの一角やオーガニックショップで手に入る。今後の食品業界において小麦、エンドウマメ、ソラマメを使ったフェイクミートや、当地にはまだない代替魚(大豆、小麦粉やトウモロコシを原料とし、魚の味や触感を再現したもの)の需要が増していくのかもしれない。

精米会社Arroz Supremoがコロンビア北東部カサナレの自由貿易地区で大幅生産開始へ

2022年7月27日、Arroz Supremoは、当地北東部カサナレの自由貿易地区ヌンチアの自由貿易地区(免税措置のある投資奨励地区)内の新規精米所を操業開始する。その背景には2030年優遇措置が切られる米国とのFTAに向けた、競争力獲得への思惑がある。

首都ボゴタから約450キロメトロ、陸路で約10時間の道のりの先にあるその自由貿易地区内の精米所は約760億ペソの投資によって設立された。同社は、「コロンビアだけでなく中南米全域から技術や環境への配慮(企業的責任)が求められている。加えて水稲を収穫後精米に至る各段階でゴミやちりを完全に吸引すること、サイズ別に厳格に選別し袋詰めすることを期待する農家の声があり、このおかげで2018年にコロンビアで初めてISO 22000食品安全認証を取得し、来年はISO14000環境管理認証を取得する予定である」と胸を張る。同社は最も均一にコメを選別する精米機能を獲得しているという。


またコメの生産能力について、Arroz Supremoはトリマ県にベナディージョ、エルエスピナル、イバゲの計3つの精米工場を持っているため、精米レベルは月間1万トンで収穫時には計約6,000トンの水稲を農家から購入することが可能になる。これは2万2,000ヘクタールに相当し、カサナレの米の収穫量全体の約15%に相当する。


コロンビアのコメ買取価格は常に当地農業の揉め事であるが、7月に入り生産者連盟と農牧省が保存米のメカニズムについて合意に達し、農家への買取価格が保証された。ウクライナ情勢により肥料価格が約70%から80%高騰していた状況についても終わりが見えてきた、と政府は分析している。


このような同社の新規精米所操業と生産量の増加に対する投資は、2011年締結した米国とのFTAのコメ関税引き下げが終了する2030年までに競争力を獲得する目的が理由にある(2030年以降、米国産コメは関税撤廃の状態でコロンビア市場に出回る見込み)。

今後8年間で、コメ含む多くの農産物は米国発コメの輸入が自由に流通できない状況下でいかに競争力をつけることができるかが課題である。同社は、8年後輸出力をもつコメの生産に向け企業努力を続けるという。

WhatsApp(ワッツアップ)アプリでリーガルチェック・署名完結へ。
コロンビアの契約シーンでさらに弁護士レス・ペーパーレス進む。

当地経済紙Portafolio(2022/7/21付)によると、コロンビア北西部メデジンを本拠地とするソフトウェア開発会社Aucoは、WhatsApp(2019年9月時点で世界中で16億人ユーザーを抱えるチャットアプリ)を介して、契約書のリーガルチェック、署名及び署名者IDの検証、IPアドレス、場所の特定までを含む完全な法的文書の認証サービスを開始した。署名認証されたドキュメントは証明書とともに自動保存し、ユーザーに送信される。


法律社会のコロンビアで契約の意味は重い。訴訟に関する手引きにもなるため、顧問弁護士による数回のリーガルチェックを経て署名後も公証役場で公証人の前で認証するなど(婚姻と同じプロセス)、何度も手続きを減る必要がある。

その不便さがなくなり、全て親指で完結したら?


Aucoはコロンビアで初めて、弁護士レス・ペーパーレス電子署名サービスを開始しており(2020年11月設立。すでにチリ、米国、メキシコ、エクアドル、ペルーの6か国でもサービスを提供)、AIを利用して、ワッツアップ上で①自社法務部門の知識を集約したAIを短期間、低コストで構築、②自動作成された契約書を短時間でリーガルチェック、③電子署名、④自動認証されたものが双方に送信・保存されるシステムだ。2022年5月時点で6,479件もの契約書が同社のサービスによって締結されたという。


同サービスを利用するには、ドキュメント内容の把握、問題点の抽出、修正案の作成、確認のプロセスをAIに覚えこませる必要がある。つまり、該当職員(主に顧問弁護士)の頭の中に「チェックルール」として明確に存在している自社規定をそのままAIに移植し、短期間で育てることになる。モントーヤ社長は、「1枚紙を印刷するコストが200ペソ(約6円)と、高い顧問弁護士の月額報酬。このサービスはそれ以上の価値は十分にある」と胸を張る。


データベースAIの構築は世界的だが、全てワッツアップの新機能として使えるのは画期的である。(改めて、DXはコロンビアのほうが進んでいる部分もあると実感)。

個人的には「ネズミの数より多い」といわれているコロンビアの弁護士(約33万4,000人。日本は2019年3月時点で約4万人)の雇用にどう影響してくるのか、そして外国との契約交渉も、本サービスがどう翻訳・認証や国際法の根拠をクリアにしていくのか、目が離せない。

2022年ノマドワーカーに朗報! コロンビアで「デジタルノマドビザ」発給へ

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場所を選ばずインターネットで仕事をする人に、「コロンビアを拠点に働く」という選択肢ができそうだ。2020年可決された法令2069号によると、リモート、フリーランス、テレワークに専念する人々を含む「デジタルノマド」の労働許可を発給する方針であることがわかった。当初、2022年7月には発給開始を想定していたがそれは叶わず、現在は承認段階であるとされる。

予定されているビザ要件は次のとおり。

1)外国企業に所属していること。これは、自然人である個人または雇用取引先(外部)がこの査証を申請できないことを意味する。法人格だけが可能であり、その同法人について事実証明書や存在証明書などの法的文書で証明されなければならない。

2)少なくとも法定月額最低賃金の3倍、つまり2022年時点300万ペソ(約9万2,884円)以上の月収を証明する銀行取引明細書。 法定月額最低賃金は2022年現在100万ペソ(約3万961円)であり、毎年1月1日に上昇する。

3)申請者の所属団体(外国企業)が発行するスペイン語または英語のレター。業種と報酬及び業務がリモートで実施される旨の内容が明記されていること。

4)申請者が別途労働契約書を締結している場合、添付する。

5)申請者が外国企業の代表取締役または共同経営者である場合、それを証明する法的書類。

6)コロンビアにおける事故、病気、出産、障害、入院、死亡等をカバーする健康保険の証明書。

*本査証は最長2年間の有効期限で発給される見通し。

既にデジタルノマドビザを発給している国は、ヨーロッパだとエストニアやジョージア、クロアチア、アイスランド、マルタなどだ。ただし、当地の場合デジタルノマドビザが発給されていなくても、現時点で日本国籍保持者は最大90日間ノービザで滞在できるため、出国と入国を繰り返すことでインターネットで仕事をすることはできる(またAutoconductoシステムで出国せずとも移民局でプラス30日滞在延長も可能)。

無論、外国人にとって煩雑であるだけでなく、「観光ビザ」のステータスで就労していることを問題視されることもあり、安定して滞在することは難しいほか、観光ステイタスでは銀行口座開設、携帯プランの契約、アパートの契約も不可能であるため生活自体が厳しい。

コロンビアは2010年~2019年にかけて外国人旅行者数が約196%拡大しており、国の活性化のためにはインバウンド誘致の強化は不可避である。デジタルノマドビザは、地域経済に大きな恩恵をもたらすほか、国内に長く滞在したいという外国人相互に有益なツールとなりそうだ。

ちなみに、コロンビア観光誘致のキャッチフレーズは”El unico riesgo es que te quieras quedar

(唯一の危険は、もう二度と離れたくなくなる国ということ)。

コラム コロンビアで普通免許(B1)を取得するまで

2022年、クルマの購入にあたり普通運転免許取得した忘備録です。

人口300万のカリではUberやタクシーで十分生活可能ですが、チビ2人をチャイルドシートなしで移動させる不安(特にゴミ収集車を見ると目の色が変わる二歳児)や、買い物の量(フルーツ大国の宿命として、毎回買い出し量が10kg近くになることもしばしば)を考えると、うちには運転は必須だろうとすぐに結論が出ました。

コロンビアはハーグ条約に加盟していないため、日本で発行された国際免許証で運転することはできません。一方、外国人に対する免許取得はケースバイケースで対応することが多く、30年前は技能に関わらず「取得費用だけ払えばくれた」らしい。そして10年前も、「知り合いの〇〇さんに運転技術を教えてもらいました」という書面を提出してお金を払えば免許証は買えたとか。

しかし、カリ市の民間教習所や陸運局に照会しましたが、「普通に教習所に通って試験を受ける」という至極当たり前の方法をとることにしました。学科30時間、実習(MT車)20時間。ちなみに費用は事前のRUNT(全国交通登録、El Registro Único Nacional de Tránsito 2万ペソ、約619円)、健康診断(12万ペソ、約3,714円)、発行手数料(9万ペソ、2,786円)が含まれて計120万ペソ(約3万7,149円)でした。私は仲介業者に支払ったので手続きの送迎もついてきましたが、教習所で直接申し込んでも同額だったので、お得でしたね。市内約10箇所の教習所どこもほぼ同じ費用です。

私が通った教習所はこちら。バイク、大型等一通り取得可能で一般的な普通免許はB1分類となります。学科は8:00-12:00, 15:00-18:00, 18:00-20:00と自分で30時間を埋めるように組み(支払いから2か月以内で卒業必須)、学科試験をパスしたあと実習へと進む流れ。

学科では主に信号、標識、罰則等日本と大差ない内容ですが、さすが勝手にソクラテス方式を採用しているコロンビア人。しゃべらせたらとまることがないので、生徒(ざっと30人以上)は活発に手を挙げてチャチャ入れてきます。

救助方法では、もちろん女性は真ん中で。

先生もフレンドリーなので(10日間で交代する仕組みのようで、集中的に通うと毎日同じ先生。周囲とも顔なじみになります)。

「バイク運転する人、ハイ手~あげて!免許なくてもオッケー」なんて呼びかけに堂々と手をあげる生徒たち。「ガソリンメータのEは何を省略しているのか?」というテーマでは、真剣な顔で「それはね、Echale(入れろ)のEだよ(正解はEmpty)」と何が冗談で何がホントが分からないので、途中から板書とるのやめました。

日によって一人頭約130円、計約1万円を上位5人が分けるクイズ形式の模試もあったり、先生がピーナッツをくれたりとにかく楽しんだもの勝ちなのが印象的。しかし、学科試験40問中34問正解ルールがちらつき不安にはなるものの(ちなみに、その教習所では昨年6人落ちたとのこと。すなわちほとんど合格してるのか)、「この人達が受かって私が受からないわけはないだろう」と、本気で、一瞬の迷いもなくただ素直に確信できたので本当に何とかなりました。

飲酒運転のカテゴリー分類(全く反応がなければNagative。少しでも飲んでいればゼロ以上で分類←つまり、ゼロは飲んでいないということにはならない)やコロンビア独自の交通ルールなど、やはり通っていて良かった!と。そして、外国人の宿命として私は広報用に動画を撮影されインタビューされ、後日免許証を手にした写真を送付しました。

楽しかった学科も終わり翌日から実習。日本でAT車しか運転したことのない身ですが、コロンビアの教習所はほぼMT車のみ。そして、日本では教官は毎回違った気がしますが、こちらは同じ先生とスケジュールして都合合わせます。私は最短で終わることをリクエストしたので、「お前ヒマだろ?」と事務に声のかけられた全身タトゥーの先生と。初日だけ交通量の少ない道ですが、翌日からはひたすら車線の多い公道を、100回ほどエンストしながら進みます。一日4時間とっていたので、何回怒られたか記憶に定かではないですが命の危機を5回は感じましたね。そしてルートもあってないようなもので、助手席の教官の銀行巡りやATM引き出しツアーに行きました。中盤から雑談するようになり、同年代ということもあって打ちとけましたが、豪雨の高速通行、縦列駐車等、今思うといい経験しました。

学科・教習どちらもクラス開始時に指紋もしくは顔写真で認証し陸運局に共有されるのでチートは許されません。私は最後の教習を10時に終えて、システム上で免許取得要件がそろったことを確認しその足でJuanchito(カリ市郊外)の陸運局に出向き、写真撮影後免許証交付されました。実習中は脳みそとカラダ、フル回転で終わるとぐったりでしたが、それも5日間。学科を入れても3週間足らずでの免許取得。10年有効であることを考えても、コスパのいい買い物になりました。日本だと、「免許とれた!!これでもう運転しなくでいいんだ」と狂喜乱舞しましたが、コロンビアではペーパードライバーという概念がなく、免許をとる=路上デビューなので、私も毎日ハンドルを握っています。

・・・そして早速へこませたことをここに懺悔します。

2030年までに小麦・牛乳の生産が大幅アップの見込み
コロンビア農業の次なる一手とは

経済協力開発機構(OECD)と国連食糧農業機関(FAO)の最新報告によると、中南米全体の一人当たりの所得予測は2030年には年間1.5%増となることがわかった。また、コロンビアを個別でみると同3.1%の増加が想定され、OECD諸国の中で、トルコと韓国に次いでコロンビアが最も高い成長が見込まれている。今後の当地の農業システムにとって、大きな転機となりそうだ。

OECDとFAOによると、バイオ燃料の需要増によりヤシ油の供給は世界中で年間1.3%の割合で増加するとされ、特にコロンビアは2030年までに200万トンを生産し、持続可能認証を取得した生産ニッチを開発する方針である。無論、政府は輸出拠点としてアピール強化をはかるものと思われる。

次に小麦をみる、と現在カナダなどの国から年間約190万トンを輸入しており、国産小麦の存在感は決して高くない。一方報告書によると、2018年~2020年の年間生産量約4,000トンが2030年には約6,000万トンに達する見込みとなり、約50%の増加が確実視されている。

トウモロコシは、同報告書によると2018年~2020年の国内平均生産値量年間約140万トンは、2030年には同170万トンとなり、生産量は約16%増加する。コメは、2018年~2020年の年間生産量約180万トンは2030年には同200万トンとなる見込みで、約12%上昇する予定だ。砂糖は今後10年間で9.4%増の240万トンの生産、牛肉は同約320万トンに達すると推定されており、どれも増加傾向にある。

(ちなみに豚肉の生産量は2030年24%増の約51万7,000トン、鶏肉は同200万トンに達する予想である)。

乳製品の生産をみよう。2020年から2030年までに年間生産量約730万トンを突破することが目され、現在の年間数字からみると約28%の増加である。現在、コロンビアの乳製品はEU向けに多く輸出されているものの産業成長のために新規輸出仕向け先開拓は免れない。

8月7日就任予定のペトロ新大統領は、農業輸出拡大に向けた短期的な目標数値や大規模な具体策を記した国家開発計画をまだ提示していないものの、マニフェストにはアグロインダストリーの拡充が謳われており、今後も注力する必要がある。

7月7日、AKARI SAS×SENA(国立職業学校)米粉製菓試作品作りキックオフ。クラス開講へ着々と進んでいます!

コロンビア33の県に約32万6,000人の受講生を抱えるSENAは、全てのクラスを無料で開講している当地の国立職業学校です。会計や調理、被服、美容、語学、清掃などあらゆる分野の職業訓練を行うことができ、18才以上であれば国籍問わず入学可能。高校卒業間近な若者でも、「大学行くお金ないから、とりあえずSENAに通うつもり!」という会話がよくきかれます。無料といっても、ホテル・コミュニケーションクラスでは実際のフロント・客室を模した設備で実践的に学ぶなど標準以上の質を備えています。

そんな中、弊社とSENAでは米粉をキーワードに製菓・パン学科で来年以降教室を開講する動きでMoUの準備が進んでいます。その一環として、カリにあるSENA調理学校で、講師向けに試作会を開催しました。

スペイン語版のレシピを片手に。今回作るのは「おこめのチーズケーキ」、「抹茶のおこめパウンドケーキ」、「里芋のガトーショコラ」の3点です。関係者には事前に日本の米粉普及指導員による動画を送付していましたが、講師はほぼ初見で臨むということに。

お菓子作りは計量が命! そして驚くことに、SENAの衛生管理は徹底しており、手が空くたびに講師陣は調理台をピカピカに磨き、手を洗い続けていきました。

まず下準備を3作品とも同時進行に行います。

小豆の代用品として一晩つけたインゲン豆を。米粉にまぶしておきます。

目線の先には日本の講師の指導動画。全員で調理用具を確認し試作開始となりました。

最初はおこめのチーズケーキの生地作りです。

さすがプロの手にかかると15分もかからず、オーブンに入れる段階に。「とっても簡単よ!」と気合の一言。

日本ではこんな業務用オーブンではなかったので、焼き上げ時間を短縮して様子をみることになりました。このあたりも、講師陣は素早く会話して決めていきます。

ガトーショコラ用のイモ(里芋の代用品)も仕上がりました。これを濾して混ぜていきます。

パウンドケーキの生地も、あっという間に。経験豊かな講師陣に「バジェ地方独自のバターの代用品(Empella de queso)を使ったことはあるか?」「米粉とエキゾチックフルーツの掛け合わせで、こういうレシピはどうか?」「日本のおかきせんべいって知ってる?」等食の話題がとまりません。

デザートに豆を入れるのは初めてのようでしたが、興味津々。さすがコロンビアで一度レシピを確認すると、迷いなくどんどん進めていくので見ているほうが不安ですが・・・。

カカオを入れて一気にいいにおいのするガトーショコラ。「焼かずに食べたいね!」という声があふれます。

焼き加減を調整し、一度に三品が仕上がりました。

グルテンフリーのさくっとした味わいに、コロンビア人の製菓講師達も大満足。試作はどれも成功です。ここから協定も本番となり、9月に向けて忙しくなります。 短い時間ですが、プロが9人も集まるとレシピ制作のアイデアがとまらず、試食しながら

「あのフルーツ、あの野菜を入れたら味が変わって面白いね」「それを作るなら、あえてコーヒーではなく紅茶でいこう!(※コロンビアは意外にもお茶の産地で、カリは紅茶畑もあり)」と盛り上がりました。

そして、国立職業学校でありながらSENAのフットワークの軽さ、講師陣のやる気にこちらも励まされました。今後もwin-winの関係を構築していきます!

7月2日 AKARI SAS × MandaLa Vida,イバゲで第一回「日本の米粉普及指導員レシピによるコロンビアの米粉製菓教室」開催、好評でした!

7月2日、稲作地帯として知られるイバゲ市において、同地のコメから製作した米粉を使って初となる製菓教室を開催しました。年に一度のトリマのお祭り(フェリア)期間中という日程ではありましたが、10人満員とのころ全ての枠があっという間に埋まり、ローカルフードに対する興味とグルテンフリーの世界、美容クリームで知られる米粉を食べ物に使ってみるという試みに、さすがコメどころ出身の参加者達の関心のほどが伺える結果となりました。

弊社小川とカフェMandaLa Vidaのパティシエであるアナ・マリア・ディアスの出会いは4月にさかのぼります。「コメ農家に嫁いだけれどお米のことをあまりにも知らない女性が多すぎる。彼女達は一日8時間家事育児におわれ、働きたくてもままならない。何とか家から社会に居場所をつくることができないか」と考えていたときに、ひょんなきっかけで食物アレルギーがあっても食べられるお菓子作りを、とカフェを開業したばかりの彼女と出会いました。卵・乳製品・小麦粉を使わない米粉スイーツに興味があった彼女と、日本の米粉普及指導員の方をつなぎ、レシピとアドバイスをいただき、スペイン語版の動画を幾度となく見て試作を重ねて完成したのが「おこめのコーヒークッキー」と「かぼちゃピューレのおこめブラウニーです」。ブラウニーは卵を使用しているので賞味期限は20日間ですが、クッキーは約2か月もつのでおみやげにもぴったり。コーヒーはもちろん、地元イバゲのコーヒー農家から仕入れたフレッシュな豆を挽いて使用しています。地産地消の観点から、材料は全てイバゲの特産品もしくは同地で調達することにこだわりました。そして一般参加者向けに講習会を開催して、もっと米粉を広めようと動き出し、同日の開催に至りました。

いよいよ当日午前9時半。コロンビアでは珍しく時間ぴったりに集まった参加者はオリジナルのエプロンに身をつつみレシピに目を通します。今回、ランチ込で参加費は約2,730円。稲作に従事している方もいれば、単純にお菓子作りに興味があった、子どもの食育のためにと理由も様々。

小川から米粉の特徴やコロンビアのローカルフード(チア、エキゾチックフルーツ)のポテンシャルの高さ、イベントの趣旨の説明のあと、アナ・マリアからクラスの進め方とお菓子作りで重要な心得(衛生の観点、計量、小麦粉と米粉の違い)の説明がありました。

ウェルカムドリンクはアロマティカ(フルーツティー)。クラスの合間にはレモネードの提供もあり、楽しみながら進んでいきます。

計量も慎重に。真ん中の参加者はクッキーの生地にハチミツを入れるところですが、「指突っ込んでいい?」という一言に大笑いしたあと、全員「もちろん、いいわよ!」。コロンビアがだいぶコロナ以前の生活に戻ったことを思わせます。

こちらはブラウニー用のカボチャに包丁を入れる様子。

クラスは4名と5名の計2つのグループに分かれました。

アナ・マリアとその右腕フアンが見てまわります。

米粉をふるいながらいれます。ほぼ初対面の参加者ですが、土地柄もあってすっかり打ち解けていました。

ブラウニーの生地が完成。何でも楽しくやることにかけては天下一品のコロンビア人達。製作中もおしゃべりはとまりません。

いよいよ作った生地を流し込みます。そしてカボチャの種等を「種蒔きね!」と言いながらやっていきます。生地が想定より多めに、オーブンに3回分。「たくさん持って帰れるね!」とみんな笑顔。

ブラウニーをオーブンに入れると、今度は冷やしておいたクッキーを成型する作業。まだ集中力が途切れません。

焼きあがったブラウニーの粗熱をとり、出していきます。

食欲をそそるいい匂いがします。コロンビアのアラビカ種とよくマッチするブラウニーの完成。焼き立ては米粉のさっくり感がよくでるのでお墨付きのおいしさ。カカオを入れるまでブラウニーができるのか半信半疑だった女の子も納得の表情。

参加者達も次々に写真撮影。

お次はおこめのコーヒークッキーの完成(写真はプレーン)。米粉のホロホロした食感がよくでています。焼き加減もいい感じ! これも皆さん試食の手が止まらず。

お待ちかねのランチタイムです。アナ・マリア手作りのバーガーセット。もちろん小麦粉は不使用のパンです。

粗熱がとれたら、パッキングして持って帰る準備。3時間のクラスはあっという間でした。参加者は「次もぜひやりたい!今度はおこめのドーナツなんてどう?」と口々に感想を。初の講師で緊張した様子のアナ・マリアからも心からの笑顔がみれました。

初回の開催では、オーブンに入れるタイミング等クラスの運びに反省点はありましたが、①原材料にこだわり、②生産者の見えるもの、③イバゲのローカルフードを使って無添加で安全なものの製作とその反響に手ごたえを感じました。

この地産地消のものづくりが、イバゲのブランドとして空港やアンテナショップに置かれるまで、そしてもちろん、「コメ農家の女性達の社会の居場所をつくる」というミッションに向けて、現地パートナーとともに歩んでいけたらと思います。イバゲでの第二回の開催は9月を予定しています。

コロンビアディスカウントストア D1が大手食品スーパーÉxitoを打ち負かす日

地経済紙Portafolio(2022年6月29日付)によると、2021年の小売チェーンとスーパーマーケットの業績発表において、今年2,000店舗の拠点を確立した「D1」チェーンの台頭に注目が集まっている。

Supersociedadesの年次報告書によると、2020年D1は小売り業界売上ランキングの10位に浮上し、2021年には2位に上昇。営業利益は99.5億ペソ(約3億3,100万円)となった (前年比35%増)。一方、小売業を牽引する業界最大手Éxito(本社メデジン)は、国内最大級の133億ペソ(約4億4,305万円)で、2020年の121.9億ペソ(約4億360万円)ドルを6.80%上回る結果となっている。

当地のディスカウントストアは日本同様、消費者の節約志向を取り込み利用者の獲得を図っている。特にD1の特徴は、販促費・人件費等を抑えてより商品を安くしているという点である。大手スーパーマーケットとは違い、直接取引により他の小売店では販売されていない特価品も取り扱っている(段ボール陳列)。また②一般的に小型店舗で日本のコンビニ程度の大きさに稼働有人レジが二台(カード決済可)、③調理に手間のかからないレンジ解凍の冷凍食品、カップ麺、スナック菓子など、保存の利く食材を中心に扱っており、生鮮食品(フルーツ等)はわずかである。主に群を抜いて安いのがアルコール飲料で、ビール一缶が約41円と大手に比べて約20円安く大量購入する消費者が多い。次にお菓子で、大規模な学校用地の1km圏内にはD1があることが多く、突然のLonchera(おやつ)購入に対応できる(コロンビアでは、私立学校が突然おやつ内容の指定をすることが多々ある)。

買い回りのしやすさと店舗の立地、商品の安さが消費者にとって高い購入頻度につながっており、今後とも大手スーパーを脅かす存在となることは間違いない。

スポーツ都市・カリ市でU20世界陸上が開催間近

2022年8月1日~6日、コロンビア第三の都市で南西部に位置するカリ市に世界中から1,500名超えるU20最高のアスリートが集結する。コロンビア陸上の歴史の中で最高のスプリンターと称され、東京2020オリンピックの銀メダリストであるアンソニー・サンブラーノ(24歳)への注目が高く、400メートル走で金メダル獲得の期待が高まっている。

カリ市は「スポーツの首都」という愛称で親しまれており、年間を通じてスポーツイベントが多く開催される。2013年ワールドゲームスを誘致したほか、2015年U18世界ユース選手権の開催にも貢献した。政府もその重要性を認識しており、コロンビアのスポーツ振興及び国のプレゼンスの一層の向上を図るため、国際スポーツ大会の開催を目指す団体に対し、誘致活動を支援している。

今回、155カ国計1,500人を超えるアスリートを迎えるのは研修を受けた計700人のボランティアである。大多数が大学生であり、登録者の80%以上がバイリンガルもしくは、複数の言語を話すという(カリU-20世界陸上ボランティアコーディネーターであるホルヘ・ソトロ談)。

2015年の世界ユース選手権の舞台では、サニブラウン・アブデル・ハキーム選手が男子100mと200mで二冠、北口榛花選手が女子やり投を制するなど、日本勢が活躍した。

今年はどんなドラマが待っているのか? 開幕が待ち遠しい。

※写真はイメージキャラクターのカリドソ(Calidoso)である。被り物はお店やイベントの盛り上げ役。その役目をちゃんと果たせますように・・・!

コロンビア 初の左派政権誕生 グスタボ・ペトロ氏が当選確実

前ボゴタ市長で左翼ゲリラにも所属していた過去をもつグスタボ・ペトロ氏は得票率は50.44%を獲得し、2022年-2026年の政権を握ることが決まった。副大統領であるフランシア・マルケスは初の女性副大統領となり、「コロンビアは変わる。愛をもって対話する」と新大統領は国民に呼びかけた。

ペトロ氏のマニフェストは、

①新規雇用、

②生産的な新経済、

③住宅の保護

石油と石炭に大きく依存していた現在の経済モデルを段階的に脱却し、採掘経済から生産経済へと移行させる。ペトロ氏は演説において、「新政府では、従来型の鉱山開発は禁止する。水圧破砕法(坑井内を満たした流体を高圧で加圧することで、坑井付近の貯留岩を人工的に破壊する技術。掘削時にガスが噴出して炎上したり、水中や大気中に有害物質が漏出する場合がある)、及び沖合の鉱床開発は認可しない。炭化水素の資源開発の新しい環境ライセンスも付与しないし、環境保護に根ざし民主の決定を尊重する」と宣言し、大衆の支持を集めた。

それにとって代わるように、農業インダストリーの促進に焦点を当てている。アグロフォレストリー(樹木を植栽し、樹間で家畜・農作物を飼育・栽培する農林業。森林破壊を防ぎ、地域の雇用を増やすメリットがある)、耕作放棄地などを活用した放牧システムの導入、さらにはコミュニティ組織の下での自然観光(エコツーリズム)の開発に着手するという。こういった農業インダストリーの目的は、コロンビアが農業食品の生産の主導権を握り、それによって食品輸入に取って代わることである。ペトロ氏は食品輸入に「スマート関税」を設定する可能性を示唆しており、外国企業にとっては頭の痛い問題に発展しそうだ。

さらに、新大統領は「保証された雇用」を大々的に掲げている。これは、国が働く手段をもたない労働者に迅速に雇用を提供する計画で、民間企業では月額最低賃金を保証するという(2022年1,000.000 COP, 約3万4,862円)。これは緊急対策や民間セクターの雇用代替ではなく、恒久的に補完するものとして機能する見込みだ。

こうした雇用保証に加えて、貧困層のための幅広い補助金も認められており、その中には年金の加入資格を満たさないすべての高齢者に対する月額50万ペソ(約1万7,431円)の補助金を開始するという。長年の課題である治安面では、政府と戦闘状態にある左翼ゲリラ「民族解放軍(ELN)」との和平交渉再開や、対話を通じた麻薬組織との解決をうたっている。

独立の父シモン・ボリバルらにより1819年8月7日のボジャカ戦争で大コロンビアの建国が宣言されたことから、大統領就任式はその日に行われる習わしである。長年南米唯一の親米派として知られたコロンビアで初の左派政権誕生を、世界はどのように理解するのか。それがわかるのはもうすぐである。

コロンビア 蓄電池要らずの水力発電が普及している理由

日本の約3倍の国土をもつ当地はアンデス山脈が縦横に走り、その豊かな標高差がコーヒー栽培やフルーツ生産、牧畜、酪農など多岐にわたる産業の実現に貢献している。
その中でも、地形の恩恵として特筆すべきが再生可能エネルギーである。
コロンビアの発電量86.51%は水力発電であり、一日あたり182.91GWhの電気を生み出す。
2022年5月の月間発電量は6,554.31 GWhであり、前年同月比1.67%増となった(当地エネルギー公社 XM社発表)。
水力発電には、水が高い所から低い所へ流れる際の位置エネルギーが欠かせない。
河川や農業用水路などに発電用水車を設置する流れ込み式や、ダムに貯めた水を放流することで発電する貯水池方式があるが、コロンビアではもっぱら後者が主流であり、莫大なダムに
轟音をあげて降り注ぐ水流は圧巻である。
化石(火力)発電ではなく、使っても水自体が枯渇することはないためそのクリーンなエネルギーとしてのメリットも大きく、国内には28の水力発電所が所在し稼働している。
デメリットは降水量が発電量を左右するところであり、確かに干ばつが続けば水不足による節電のお達しもあると予想されるが、当地は国全体で長雨が続いており当面の心配はなさそうだ。
地域毎での水力発電量をみると、北部カリブ地域(150.4%)、東部(120.6%)、中央部(106.4%)、南西部バジェ(100.0%)、北西部アンティオキア(91.3%)となっている。
水力発電は今後も筆頭エネルギーとして存在感を高めていくと思われるが、コロンビア政府は風力、太陽光、バイオマスなどの再生可能エネルギーを大幅に拡充する方針を打ち出している。他国には真似できない、自然に恵まれたエネルギー政策を意欲的に取り組む予
定で、ブラジルやアメリカなど、先進国の再生可能エネルギー施策にコロンビアの関心が集まっている。