コロンビアディスカウントストア D1が大手食品スーパーÉxitoを打ち負かす日
地経済紙Portafolio(2022年6月29日付)によると、2021年の小売チェーンとスーパーマーケットの業績発表において、今年2,000店舗の拠点を確立した「D1」チェーンの台頭に注目が集まっている。
Supersociedadesの年次報告書によると、2020年D1は小売り業界売上ランキングの10位に浮上し、2021年には2位に上昇。営業利益は99.5億ペソ(約3億3,100万円)となった (前年比35%増)。一方、小売業を牽引する業界最大手Éxito(本社メデジン)は、国内最大級の133億ペソ(約4億4,305万円)で、2020年の121.9億ペソ(約4億360万円)ドルを6.80%上回る結果となっている。
当地のディスカウントストアは日本同様、消費者の節約志向を取り込み利用者の獲得を図っている。特にD1の特徴は、販促費・人件費等を抑えてより商品を安くしているという点である。大手スーパーマーケットとは違い、直接取引により他の小売店では販売されていない特価品も取り扱っている(段ボール陳列)。また②一般的に小型店舗で日本のコンビニ程度の大きさに稼働有人レジが二台(カード決済可)、③調理に手間のかからないレンジ解凍の冷凍食品、カップ麺、スナック菓子など、保存の利く食材を中心に扱っており、生鮮食品(フルーツ等)はわずかである。主に群を抜いて安いのがアルコール飲料で、ビール一缶が約41円と大手に比べて約20円安く大量購入する消費者が多い。次にお菓子で、大規模な学校用地の1km圏内にはD1があることが多く、突然のLonchera(おやつ)購入に対応できる(コロンビアでは、私立学校が突然おやつ内容の指定をすることが多々ある)。
買い回りのしやすさと店舗の立地、商品の安さが消費者にとって高い購入頻度につながっており、今後とも大手スーパーを脅かす存在となることは間違いない。