2022年ノマドワーカーに朗報! コロンビアで「デジタルノマドビザ」発給へ
場所を選ばずインターネットで仕事をする人に、「コロンビアを拠点に働く」という選択肢ができそうだ。2020年可決された法令2069号によると、リモート、フリーランス、テレワークに専念する人々を含む「デジタルノマド」の労働許可を発給する方針であることがわかった。当初、2022年7月には発給開始を想定していたがそれは叶わず、現在は承認段階であるとされる。
予定されているビザ要件は次のとおり。
1)外国企業に所属していること。これは、自然人である個人または雇用取引先(外部)がこの査証を申請できないことを意味する。法人格だけが可能であり、その同法人について事実証明書や存在証明書などの法的文書で証明されなければならない。
2)少なくとも法定月額最低賃金の3倍、つまり2022年時点300万ペソ(約9万2,884円)以上の月収を証明する銀行取引明細書。 法定月額最低賃金は2022年現在100万ペソ(約3万961円)であり、毎年1月1日に上昇する。
3)申請者の所属団体(外国企業)が発行するスペイン語または英語のレター。業種と報酬及び業務がリモートで実施される旨の内容が明記されていること。
4)申請者が別途労働契約書を締結している場合、添付する。
5)申請者が外国企業の代表取締役または共同経営者である場合、それを証明する法的書類。
6)コロンビアにおける事故、病気、出産、障害、入院、死亡等をカバーする健康保険の証明書。
*本査証は最長2年間の有効期限で発給される見通し。
既にデジタルノマドビザを発給している国は、ヨーロッパだとエストニアやジョージア、クロアチア、アイスランド、マルタなどだ。ただし、当地の場合デジタルノマドビザが発給されていなくても、現時点で日本国籍保持者は最大90日間ノービザで滞在できるため、出国と入国を繰り返すことでインターネットで仕事をすることはできる(またAutoconductoシステムで出国せずとも移民局でプラス30日滞在延長も可能)。
無論、外国人にとって煩雑であるだけでなく、「観光ビザ」のステータスで就労していることを問題視されることもあり、安定して滞在することは難しいほか、観光ステイタスでは銀行口座開設、携帯プランの契約、アパートの契約も不可能であるため生活自体が厳しい。
コロンビアは2010年~2019年にかけて外国人旅行者数が約196%拡大しており、国の活性化のためにはインバウンド誘致の強化は不可避である。デジタルノマドビザは、地域経済に大きな恩恵をもたらすほか、国内に長く滞在したいという外国人相互に有益なツールとなりそうだ。
ちなみに、コロンビア観光誘致のキャッチフレーズは”El unico riesgo es que te quieras quedar”
(唯一の危険は、もう二度と離れたくなくなる国ということ)。