バナナ生産者が直面する資材高騰問題 新たな施肥技術の必要性

コロンビアにおける2021 年バナナ(国内に約400種類)の総生産量は 241万3,768トンであり、農業省によると2022 年約249万トンを突破すると予測されている(前年比約2%増)。

バナナは農業部門GDPの5.3%を占め、国内の29万3,648人の直接的・間接的雇用を支えている。
バナナ生産者協会によると2021年と2022 年各1月~7月期間の輸出用梱包バナナは2,430万869箱(一箱20kg)から 2,599万7,908 箱(同)へと 7%増が見込まれており、特にマグダレナ、グアヒラ、セサール県で生産量が伸びている。


数字を見ると盛況なバナナ市場の内情は複雑なようだ。生産者にとってビジネス収益性という観点では、①国際市場に出荷するための認証取得にかかる費用、②肥料原料の高騰とにより今は苦境にある。新型コロナウイルスによる物流ストップからの経済の立て直し、コンテナ危機、世界的な不況、ロシアのウクライナ侵攻による殺虫剤の高騰等が具体的な苦境の要因と考えられる。


農村計画 (UPRA) の農業資材の物価指数によると、肥料原料と殺虫剤の物価は2022年6月の前月比平均0.65%増加した。これは前年比同月2.58%増と推定された値よりも低い数値であった一方、2021年7月~2022年6月の累積変動率は103.3%で2年前(2020-2021年)の14.5%を上回り、物価上昇が浮彫りとなった。

このまま続くと、肥料や農薬の高騰によりバナナ農家が十分な施肥や殺虫剤散布などができず、農作物の生育に影響が出る可能性もある一方、補助金頼みではいずれは行き詰まる。バナナ、ひいてはコロンビアの農業従事者が新たな施肥技術の獲得を目指す日は近そうだ。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です