ウクライナ危機により、小麦とトウモロコシの価格が市場で再び上昇
3 月以降、ロシア・ウクライナ間の戦争が小麦の先物買いの引き金となっている。
エネルギー原料と同様、ここ数か月農産品価格は安定せず、10月下旬の小麦の価格はウクライナでの戦争勃発時に記録した最高値から 40% 近く下落した。一方、10月31日時点で価格は急上昇しており、シカゴ商品取引所(CBOT)の小麦先物価格は8%上昇し、2021年3月以来の高値である968.75米ドルに達した(前年同日251米ドル)背景にはウクライナ発の穀物輸出に関するロシアの合意を一時停止するという決定があったものと推定される。今後小麦価格が上昇すれば、代替品としてコロンビアで十分な自給率をもち、価格も安定している米粉が台頭しそうだ。
ロシアとウクライナの穀物輸出協定の一時停止の影響は、小麦価格だけにとどまらない。とうもろこしの価格は2022年10月31日CBOTで約3% 近く上昇し、7 月中旬から 3 か月半ぶりに最高値の695.5米ドルである(前年比約22%増)。需要はヤシ油の価格も押し上げている。その代替品としてウクライナの主要輸出産品であるヒマワリ油の供給にも注目が集まっている。