「黒いカルメンタ」とは? コロンビア・カカオ栽培への影響

当地経済紙Agronegocio(2022年10月21日付)によると、黒いカルメンタ(CARMENTA NEGRA)と呼ばれる害虫がコロンビアカカオの生産に深刻な被害を与え、その生産損失が50%以上に拡大していることがわかった。


温暖化はじめ気候変動の影響によって、当地では病害虫発生時期の早期化、発生量の増加、発生地域の拡大がとまらない。カカオでは種子に穴を開ける病害虫の「黒いカルメンタ」の発生が深刻化しており、植物検疫のハードルが高くなっている。コロンビア農業研究公社 (Agrosavia) によると、種子への直接的な被害により50% 以上の生産損失を引き起こしているという(2022年)。


同病害虫への対策として有効なのは害虫の把握である。黒いカルメンタは卵、幼虫、さなぎ、成虫、の 4段階から成り、約 57 日で生長する。繁殖のための交配は、環境条件が良好な巣で行われており、メスはまだ熟していないカカオの果実に卵を産みつける。通常、カカオ実の粗い溝の部であることが多く、幼虫が果実に侵入すると、種子に到達するまで穴を開けられてしまう。Agrosavia によると1 匹の幼虫は 3 ~ 4 個の種子を損傷するといい、最大8匹の幼虫となることもある。


いうまでもなく、病害虫の発生を予測するアラート等の監視システムの設置が肝要である。①逐次調査データを取り、次の栽培あるいは次の発育段階の発生量を予測する、②各地域における発生状況や被害状況等を共有するなどの手立てを活発化するしかない。
黒いカルメンタのまん延は、当地カカオ栽培に重大な損害を与えており、かつ県境を越えて拡大しているため、国と地方自治体の協力はもとより新たなプロジェクトを発動し、まん延を防止する方針であるという。無論、外国企業の技術誘致も視野にあるという。

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