売れるまで管理することがトレンド!
コロンビアの農家さんなら必ず1つは入れている農業アプリとは?
2010年頃はブラックベリー主流だった当地の携帯電話。今や、最低賃金(月額約2万3,000円)で暮らす家庭でも一人一台のスマホは常識。アンドロイドで安価な中古品なら2,000円もあれば買えます。日本に比べると街のフリーWi-Fiも飛んでいるし(特にドゥケ前大統領の指揮のもと拡大)、タクシーもUber運転手のように運転席でスマホをいじっている様子をみると、豊かになったというより「治安がよくなった・・・!!」と感激します。少し前まで、携帯なのに街中で取り出せないというのが常識だったので。(それでも、無防備に最新のiPhoneを出しているとやられますが)。それに、今やスマホをひったくられたところであんまり実害ないですよね。本体料金と番号変更が惜しいくらいで、実際新しいスマホに全てバックアップされた情報を移行させれば同じように使えるわけで。つくづく隔世の感があります。
さて、突然ですがそんな通信事情の整ったコロンビアで農家さんはどんなアプリを入れて農業をしているのでしょうか?
圃場と作物を管理する上で欠かせない条件は「インターネット環境になくても使える」こと。当たり前ですがネットが使えるのは事務所だけで、畑はネットはもちろん、場所によっては携帯が圏外ということもザラです。
①AGROBIT
栽培計画及び管理、圃場監視、収穫時期設定、ビジネス管理と分析までできるのが特徴。
計画と管理では、収獲シミュレーションを実行し、農業知識ベースと予測、市場動向、予算、物流情報にアクセス可能。またアグリビジネスのプラットフォームでは価格、納期、品質、決済方法を設定でき、収穫パートでは、収穫計画、選別 (重量、識別、品質)、生産トレーサビリティ、および出荷業者向けの管理を徹底。
「売れるまで面倒をみる」ことに特化したアプリであり、認証トレーサビリティやQRコードの生成、二酸化炭素排出量の検証まで行っています。
②Agri
最先端の管理ソフトウェアを使用し、圃場管理を得意とするアプリ。圃場メンバーのシフトの調整、栽培計画、作物栽培シミュレーションを自動化した上でレポートを作成し、今後の作物栽培のガイドを行います。アプリ注文と決裁、タスク・収穫制御と水管理を行う。
生産者のシフトだけでなく給与管理できることも特徴で、法定賞与等も設定できる。請負業者が管理されます。資材調達もアプリ上で可能であり、農薬等の支払いも自動化、検疫に関する必要書類もアプリ上から取得できるそうです。
製品の出力及び入力、在庫管理や棚卸等、一般企業でも重宝される情報の農業版というイメージ。従業員情報も閲覧できるそうで、「どこで誰がいつ働いたか」をクリックするだけで参照できます。
③Auravant
最も多くのエリアをカバーしているAuravant(110 か国以上、計7万5,000 人以上のユーザー)は汎用性が高くオールマイティなアプリかもしれません。登録情報とプロセス管理、水、肥料、種子などの登録の最適化。圃場の可視化が得意なので、気候変動等の異常が起きた際の対策が立てやすいアプリです。もちろん、発注管理などのビジネスプラットフォームとしても使えます。
日本企業が参入するためには、農業の可視化はもとより栽培管理から売約をつくるためのシステム強化が求められるのかもしれません。