肥料の使用を20%削減するコメ生産モデルは勝機となるか

コロンビア官民事業(Biocarbono/Agrosavia)である稲作プロジェクトの第一段階が完了し、肥料使用量を約20%削減することで栽培コストを引き下げることがわかった(Fedearroz,2023年2月10日発表)。

当地農業地方開発省と全国稲作連盟(FEDEARROZ)、及び本件がきっかけで設立に至った民間企業(Agrosavia)が一体となって実施している本件の目玉は圃場で利用できる資源(収穫に至らなかった残渣)を再循環させることであり、土壌や堆肥のリサイクルである。

この開発にはカリ市Arrocera La Esmeralda S.A.S (Blanquita Rice)、Unión de Arroceros S.A.S Fedearroz, Massive Technology Adoption Program (Amtec) が参画しているほか、環境省と農業地方開発省がイニシアチブをとっている。

プロジェクトキックオフのきっかけは気候変動対策の生産コスト削減であったが、ロシアのウクライナ侵略以降リン酸肥料が高騰しており、生産農家にとって肥料の削減は死活問題であり、政府も本腰を入れている。
コメ栽培における追肥は品質や収量の向上を左右する重要なポイントことは言うまでもない。

2030年の米国産コメのコロンビア向け輸入関税撤廃に向け、生産コスト削減による価格競争の強化は免れず、現時点で可能とされる20%ではなく、施肥量を半減またはゼロに抑制するための投資奨励措置が発令する可能性が高い。

日本企業はこの情勢をにらみ、窒素やリン酸の代替や緑肥など、新たな一手で参入する必要がありそうだ。

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