コロンビア 100馬力級の大型トラクタの需要も、一部の農家に限られる現状
当地SICEX(貿易統合システム)によると、2022年10月までに 1,477 台のトラクターがコロンビアで輸入登録され、主な輸入国がメキシコ (1億1,400 万ドル)、ブラジル (2,140 万ドル)、米国 (2,110 万ドル) であることがわかった。 2020 年にコロンビアは 2 億 300 万ドル相当の農業用トラクターを輸入したものの世界レベルでは第41位のレベルであり、「世界のパントリー」を目指すわりに進まぬ他国と比べて機械化は進んでいないようだ。
クボタ、ヤンマーで知られる日本の農機の輸入は金額ベースでメキシコ (1 億 1,400 万ドル)、ブラジル (2,140 万ドル)、米国 (2,110 万ドル)、中国 (2,080 万ドル)に次ぐ1,540 万ドルであり、FTAの恩恵を受けている国が輸入国の中心となっている。
コロンビアの大型農家は100馬力~175馬力のトラクターの需要が増しており、2022年の登録台数の72%を占めている(SICEX)。価格も100万円前後~と決して安くはないが、実業家レベルの農家にとって重要な初期投資のようだ。また、輸出強化を必須とする場合生産者が適正農業の認証にアクセスする際に満たす、オープンプラットフォーム機能搭載を選択する場合が多い。
一方、ペソ安による物価高に伴い半数以上を占める零細農家には縁のない話だ。農機具シェアリングや大型コンバインのシェアリース等、「年に2週間だけ使いたい」といったニーズにこたえる仕組みは当地にはまだなく、モノや技術を所有している生産者が小作人を未だ下請けとしているほか、買付企業が収穫量を年貢にリースするケースも多い。ピラミッドの下にある大多数の農家にとって利益のある農業経営が待たれる。