さとうきび先端部を牛の飼料として有効活用の動き

当地アグロ経済紙(2023年4月5日付)によると、さとうきび生産の副産物である先端部を乳牛用の粗飼料として活用し、自給粗飼料として有望であることに注目が集まっています。

牛の飼料となるさとうきびの副産物には、芽、バガス(砂糖を作るためにショ糖を圧搾した残りの繊維)などの余剰がでます。

牛の飼料は高品質の肉と牛乳を生産するための基本的な要素であり、そのためバランスが良く、種類が豊富で、必要な栄養を十分に含んでいなければなりません。供給するにあたり乾草、サイレージ、生草、乾燥草など、さまざまな形態が考えられるが、特に牧草が不足する時期や、泌乳期など栄養要求の高い時期に、良質な飼料の補給は命題でもありました。


今回、乳牛用のサイレージ(青刈りした後に乳酸発酵させた飼料)としての適性を検討したところ、サイレージ発酵品質が良く、嗜好性がすぐれ、エン麦などの輸入乾草の代替として十分に利用できることがわかりました。

「サトウキビは先端部の芽、バガスなど、飼料に使えるものがいくつかあります。牛の飼料として万能な植物ですが、反芻動物だけでなく、豚や鶏など他の動物にも使えます」と、サンタンデールにあるアグロサビア社がコメントします。

サトウキビ飼料は、丸ごと切って牛舎で直接動物に与えます(葉や茎も含めて鉈で切り刻みます)。

加えて、サトウキビの芽は、硬かったり古かったりして糖の生産に使われません。これを刻んで新鮮なまま動物に与えるか、発酵させることでサイレージ品質は上がることもわかっています。

バガス(繊維質)は、サトウキビの汁を50%ほど取り出しているため、サトウキビ全体や芽に比べると、糖分は少ないです。しかし、家畜の飼料に適した量の糖分が含まれており、乳牛用粗飼料としての有効性は確保されています。

サトウキビはバイオエネルギーの需要増も伴い、安定した存在感の作物です。

牧畜農家として当地があゆみを増していくために、自給飼料としてサトウキビがメジャーになるかもしれません。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です