コロンビア 相次ぐトマトのオオタバコガ被害に新たな駆除対策の必要性高まる
欧州、アジアはじめ広い範囲で寄生するオオタバコガという蛾をご存知だろうか。幼虫が葉、芽、果実を食害し、主にトマトだがパプリカやジャガイモなど他の作物も被害対象となる。
当地経済紙Agronegocio(2023年5月22日付)によると、オオタバコガによる被害(幼虫がトマトに卵を産み付け、そこから蛾が発生、葉の中に入り込む食害)により、今後トマト収獲が半減する可能性もあるという。
ちなみに、コロンビアのトマト輸出は全世界で第32位程度であり、国内21の県で栽培されている。播種面積は約9,000ヘクタール、生産量は年間51万2,000トン、1ヘクタール当たりの平均生産量は62.3トンである。輸出規模も小さいものの、カナダやスイス等限られた国に少量生鮮トマトを出している。
コロンビアのトマトの輸出(FOB金額ベース2022年)
(出所 sicexより作成)
政府はトマト食害に備えて化学系殺虫剤の開発を進める方針だ。また、アプリを通じて殺虫剤の時期や量を農家が可視化できるシステムも導入したいとしている。
ただ民間セクターにとっては化学系の対策だけでなく、防蛾灯や反射シート等の飛来を防ぐ新たな方法も、商機なのかもしれない。