コロンビア 畜産における水管理投資の需要
限りある資源である水。
飲み水として利用できる水は地球全体の0.01%にも満たず、近い将来国同士で水の奪い合いが起きるとされています。
1996年から2005年にかけての動物性食品生産によるウォーターフットプリントは、世界で年間2,422Gm³でした。この数字は、農業のウォーターフットプリント全体の3分の1を占めると推定されます。
実際、コロンビアでは、畜産に必要な水を削減するためにどのような対策がとられているのでしょうか? そこに外国企業参入の可能性はあるのでしょうか?
一般的に、生産サイクルの長い畜産は肉に変換するために多くの飼料を必要とするため、ウォーターフットプリントが高くなります。例えば、子牛は生まれてから肉牛となるまで約1年かかるため、
単純に①牛の飼料、②飲み水、③体を洗う水(水浴び)、④牛舎の清掃用の水・・・などを含むと、牛肉1トン得るために使う水は1万6,000キロリットルにも及ぶ計算です。そのため、コロンビアでは濃縮原料(穀物シリアルや植物性タンパク質濃縮物)よりもウォーターフットプリントの低い飼料の調達がみられますが、あくまでも圃場での努力レベルであり、政府の法整備は遅れています。
さらに、農家と畜産民間企業が連携して、畜産における水の利用効率を高めるための栽培方法の研究が進んでいます。
近い将来、圃場の給水設備も含め、水管理セクターが有力な投資先となるでしょう。
日本では厳しい排水規制もあって農場内の水の循環利用が進んでいますが、その技術が売れる日が近づいているともいえそうです。