ボリビア・モレノ大学開催「コメを活用したFVC構築セミナー」に登壇しました!
2023年10月、ボリビアのサンタクルス県に所在するガブリエル・レネ・モレノ国立自治大学の農学部の学生さん向けにオンラインでセミナーに登壇しましたが、そのご縁により今回対面での講義が開催され、2時間の貴重な時間をお預かりしました。
登壇者である私は、食品産業の専門家や実業家でも何でもなく……ただ、自分のコロンビアと日本で関わっている分野の経験から、「こういう統計や経験から、私はこんなふうに働きかけて、こういう成果を得たよ。ボリビアでは、こうしたらどうだろう?」と考える機会としてフードバリューチェーン(FVC)の知識や洞察を提供しました。
そして毎回思うけれど、私は自分が何をしゃべりだすのか一番把握していない! 始まる10分前は、「あんた、いったい何を話すつもりっ!?」と自分の体をゆする衝動にかられます。学長からマイクを受け取ると、そこからはもう土壇場。最初の5分は壇上にいた記憶もありますが、まああちこちわたってボリビアの皆さんの意見をヒアリングしました。講義って、しゃべる側も聞く側どちらも参加者。登壇者は指揮者で、「どんなゴロでも拾うので、臆せず発言してほしい」とひたすら思います。その念が通じたのか、今回も休憩時間なしの2時間走り抜けました。
プレゼンテーションのテーマは「コメ加工品ビジネスにおけるグロカリゼーション」。コメがフードバリューチェーンに与える影響や可能性について説明しました。具体的には、少ロットでの生産性向上、精米技術の効率化、ECサイト構築、消費者とのエンゲージメント強化などのポイントを取り上げました。
次に、具体的な日本企業の進出成功事例を紹介し、マーケティングにおけるグロカリゼーションの有効性を示しました。最後に、ボリビアでのコメ販売ルートの付加価値の可能性、コメにとどまらずカカオ、モリンガやアチョーテ等の新規展開品目などの日本向け輸出のケーススタディなど、参加者とのディスカッションを通じて、彼らのビジネスに適した戦略やツールの選択について議論しました。
参加者は加工品ビジネス導入の関心が高く、質疑応答のセクションも大盛り上がり。特に、実際の導入事例や成功事例の情報に関心がありました。また、セミナー後の軽食ではサンフアンで和菓子の製造販売を行うカリーナさんの米粉マカロンを提供。コメの付加価値という観点でも有益であったほか、講義内容が面白かったとの好評を参加者よりいただきました。
フードバリューチェーンの構築において、商品の付加価値創造はますます重要となっています。今後はより多くの個人・企業が自らの「バリュー」を競争力を高めるために最適化していくことが期待されますし、サポートしていきます。
ボリビアの学生さん、精米企業の関係者からもポジティブなフィードバックを聴きました。FVC構築における最新のトレンドや戦略は日々変化します。高付加価値加工品の市場動向や需要の変化、競合状況などについて、ボリビアではどうなのか? をリサーチしていく予定です。また、具体的な製品開発のプロセス、戦略についても同地での新たな製品アイデアや市場展開の戦略について活用します。
参加者との交流を通じて、弊社も新たなアイデアやパートナーシップの可能性を探ることができました。コロンビアにとどまらず、ボリビアでの新しいビジネスチャンス構築に向けて動いてまいります。