セサル県で新しい産直ECサイト”エコルサ(Ecorza)”がローンチ! 

2024年4月、当地北東部セサル県(ベネズエラと国境を接する。人口約110万人)において、コロンビア国立大学による新しい産直ECサイト”エコルサ(Ecorza)” が導入されました。これは日本ではすでにある、オンライン上で消費者が生産者から直接農産物を購入できるシステムで、中間マージンが発生しません。ただ少し違うのは、工芸品等も含まれる点で、セサル県は地元製品のマーケティング全般に活用する方針です。


エコルサがコロンビアで画期的な理由として、①双方に有益な情報と商品情報を生産者が登録できる、②生産者の出品コストがかからない、③セサル県内の農業及び手工業コミュニティの活動を消費者や投資家が検索できる、④コミュニティが地域に関連するニュースや情報を公開できるようになる点でしょうか。一貫して、ECサイトとしての機能はもちろん、音欄による生産チェーンの改善、およびオンライン販売の増加による運営コストと流通コスト削減を目指していることがみてとれます。


またボゴタ市の民間企業 Sepro によって開発されたアプリを利用すれば、販売在庫の管理、生産コストの見積もり、輸送物流中の製品トレーサビリティを管理することができます。


日本人にすると、「今までなかったの?」と言いたくなる内容でしょうが、コロンビアではまだ生産者の消費者が月と木星ほど遠い。かと思うと、家の入り口や道路の近くに魚、卵、チーズ、ヤギの乳、鶏肉、肉、メロン、レモン、マンゴー、蜂蜜、パン、アレパ、アルモハバナ、さらには工芸品まで売っていることも珍しくない(しかし田舎に限るので、継続できるほどの収入には遠い)。このエコルサの取り組み(現時点でセサル県内の7つの自治体が参加)がどこまでコロンビアの他の農業県に波及するか楽しみですが、「事業主体側が商品在庫を抱える必要はない」という最大のメリットと、農産品をオンラインで購入した経験のない消費者が「手に取らなくてもほしい」と思えるかがポイントになりそうです。


現在コロンビアの農産品ECサイトは5つ程度あります(Waruwa, Merkaorgánico online, Merkacol,Frubana, Plazamercado.co. ,Merqueo.)。どれも主婦のアプリに入っているケースは低く、ECサイトはこれから伸び代のあるマーケット。プラットフォームの使いやすさとセキュリティ(安全にクレジットカード情報を打ち込めるか)、食べ物は返品がきかないために商品情報の正確さや質の高さなど、いろんな課題があります。その一つひとつの解決策に、日本企業の技術が参入する日も近いとみています。

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