新たな系統分類群により、コロンビアのトウモロコシ品種が23種→42種に拡大中
トウモロコシ(学名Zea mays)の主な分類方法として、穀粒の形状や利用目的に基づき①デントコーン(Dent Corn)、②フリントコーン(Flint Corn)、③スイートコーン(Sweet Corn)等、地域や気候条件に応じて選ばれることが多い(日本では約7品種)。
一方、コロンビアをみると当地経済紙(Agronegocio, 2024年7月4日付)によれば、
分類の歴史は1950年代までさかのぼり、当時23品種を次の3つの主要カテゴリーに分類した。
(i)「原始品種」:背が低く、早熟で穀物が小さい。
(ii)「外来種」:トウモロコシは中央アメリカが原産地とされる。様々な気候条件に適応できるため、15世紀以降中米から持ち込まれた。
(iii)「コロンビア固有種」。
1950年以降ほぼ変化のなかったトウモロコシの分類だが、2007年国立コロンビア大学(パルミラ市)の新熱帯適性遺伝資源研究グループがICAの支援を受けて当地のトウモロコシ品種を再調査し、その品種の多さと遺伝的多様性の変化を評価するとともに、その栽培に関連する伝統的農法の保存を行った。
加えて、同年メキシコのCimmyt Germplasm Bankで保管されていた66品種を受領し、当初記載された23品種のうち22品種を回収。生物学的コレクションの統合という意義に加え、コロンビアの全品種を網羅したわけではないものの多くの科学的論文の発表につながった。
そして、この調査以降コロンビアに存在するトウモロコシの品種の数は23品種から42品種に増え、"コロンビア雑種 "と呼ばれる第4のカテゴリーを提案につながった。彼らは地理情報システムを使って最初のコレクションがあった地域をマッピングし、土地利用や都市化の変化に合わせて検索を調整(現在もトウモロコシが栽培され、伝統的な農法が維持されている農村地域や保全地域に焦点を当てた)。
現在、42のトウモロコシ品種は同大パルミラの生物学研究所に保管されている。次なる手順は、記載された全品種の形態学的・分子生物学的特性評価を継続することとされる。