コロンビア チリ向けの動物性副産物輸出キックオフへ
畜産大国コロンビア、何度も言いますが本当にこの国のお肉はおいしい。
シャトーブリアンなど希少部位も日本では信じられない値段で食べられますし、安い肉をただ焼いて塩で味つけするだけでも、口に入れた瞬間エネルギーが体に充填されるほど。本当におすすめ!
そんな中、チリの農業畜産局(SAC)は、コロンビア産動物性副産物の輸入の承認を発表しました。動物性副産物とは、食肉処理やその他の動物からの製品製造過程で得られる主要製品以外の動物由来の素材。例として以下をあげます。
内臓: 肝臓、心臓、腎臓、胃、腸など。
骨: 食肉処理後に残る骨。
血液: 食肉処理の際に得られる血液。
皮・毛皮: 皮革や毛皮産業で利用される素材。
脂肪: ラード等。
角や蹄(ひづめ): 一部の産業で使用。
つまり、食品として消費されることもあれば、ペットフード、医薬品、化粧品、肥料、飼料、工業用製品など多様な用途が考えられる素材。
コロンビア農牧庁(ICA)によると、2023年当地では5,645トンのコラーゲンとゼラチンがドイツ、ブラジル、カナダ、米国、韓国などの国々に輸出されました(2024年8月4日当地経済紙アグロネゴシオ)。2024年現在ではすでに2,406トンが輸出されているので、決して小さくないビジネスですね。
チリ向けには、コラーゲン、ゼラチン、加水分解タンパク質、油脂が主な輸出品目となるとのこと。コラーゲンの用途として、食品ではサプリメント、ヨーグルト、プロテインドリンク、家畜飼料、美容では保湿クリームはローション、フェイスマスクが考えられますね。また軟骨再生や美容整形(例:フィラー)にも利用されるので、美容整形にも使えます。
ゼラチンは主にゼリー、グミキャンディ、マシュマロなどの製菓製品、デザートや乳製品の凝固剤、安定剤、増粘剤…。医薬品ではカプセルの外殻材料、工業用途では写真フィルムや感光材料のコーティング剤として利用も可能なんだとか(意外に幅広い!)。
今回のキックオフも、両国間での衛生協定の要件策定、合意が大きな鍵でした。ただ輸出拡大をうたうコロンビアとしては、畜産部門と国際競争力獲得のための重要なコミットメントの一つでもあります。
畜産の副産物輸出。これが当地の生産、加工、マーケティングの面でさまざまな革新が生まれると予測しています。