コロンビア農業 ラニーニャ現象を前に非認証種子の利用に警鐘

メールが急に穏やかと思ったら、日本はもうお盆休みですね。毎年仕事がぐんと楽になるこの時期に旅行を組むことが多かったですが、今年は諸事情によりカリで仕事! COP 16も近いし、来年の日本一時帰国をニンジンにして乗り切る夏です。

さてコロンビア、ラニーニャを前にその影響が次々と叫ばれています。

当地経済紙アグロネゴシオ(2024年8月11日付)によると、コロンビア農牧院(ICA)と全国種子協会(Acosemillas)は、生産者、栽培者、取引業者に対し、雨季の予防措置だけでなく、非認証種子(未認可の種子や適切な認証を受けていない種子)の使用をとりやめるよう、緊急の呼びかけを行っています。


一般的に "袋種子 "として知られる無認可種子の使用は、コロンビアでもともと問題となっている一方、国内で認証種子の規定をもつのは、稲、トウモロコシ、綿花、ジャガイモ、ソルガム、エンドウ豆、オート麦、大麦、小麦、大豆、ゴマ、落花生、キャッサバ、豆類、柑橘類の15種のみ。稲作でも過半数以上が非認証種子を利用しているとみられており、ICAによって評価・承認された種子を購入することのハードルの高さ(費用面、手に入らない供給面、配送ができない地理的制約面など)に頭を悩ませてきました。


 しかし、ラニーニャ現象が確実される現在非認証種子の利用は病害虫抵抗性にも悪影響を及ぼし、食糧安全保障と農家の収入を危険にさらす可能性があり、政府は改めて認証種子の重要性をアピールしたい模様。
特にトウモロコシ、稲、大豆、綿花などの季節作物に依存している農家に対して強く、認証種子の利用を求めるそう。

ただ、個人的には農家が認証種子の存在やその利点について十分な情報を持っていないことが問題という気がしています。認証種子を購入する選択肢を知らない、またはその重要性を理解していない単なる情報不足・・・。コロンビア人生産者と接していると、「HOWはわかってるけど、WHYがまだわからないのかな」と寂しくなることもあるのですが、種子の利用に関しても「なぜ高いお金を払って認証種子を買う必要があるのか、豪雨が続いたときに非認証種子だとどうして損失が大きくなる可能性が高いのか」をじっくり膝を突き合わせて話していく必要がありそうです。

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