いよいよ開催間近! COP16を見据えてコロンビアの農業団体のアピールとは?

あっという間に10月に入りました! 

この一週間はコロンビア全土で秋休み。元気ありあまる子供たちとハロウィンの準備をしたり、クリスマスの予定を立てたりとそれぞれ思い思いに過ごしています。ただ一味違うのは今年のカリ。約2週間後に迫るCOP16誘致都市としてショッピングモールやスーパーのあちこちに珍しい鳥類の写真が飾られるようになりました。早速会議が開催予定のYUMBO市までの道路封鎖予定状況も見えるようになり、いよいよ世界150か国から180 人の使節団が来るのか…という雰囲気です。もちろん弊社もバッチリ業務にあたる予定で、わくわくしています。


外せない点は、ホスト国であるコロンビアにとって生物多様性の保護及び環境分野の存在感を示す機会であるということ。また、農業部門にとっても環境保護と農法をどのように実践しているか、国際社会にアピールすることができます。

詳しく見ましょう。コロンビア花卉協会(Asocolflores)はカナダ・モントリオールで開催されたCOP15の成果に関して、①過去25年間で花卉農家が化学農薬の消費量を50%削減したことを強調(Asocolores)。同じく、過去10年間でプランテーションにおけるバイオインプット(植物由来のテクノロジー)の使用量が600%増加したことも特筆に値します。


同COP15のターゲット11は、自然への貢献度に関するものでした。これを受け、コロンビア花卉業界は森林破壊との闘いや絶滅の危機に瀕している作物種の保護に関するプロジェクトを展開し、生物多様性の保全と水資源の適切な管理に基づき農業の管理ツールを適切に使用した結果だと想定しています。

当地のやし油(パーム)栽培部門も、国内でやし油用地となっている60万ヘクタールのうち、森林破壊の警告が出ているのは1%未満の4,000ヘクタールだそう(当地経済紙アグロネゴシオ2024年10月4日付)。加えて生産農家も持続可能な製品づくりに率先して取り組んでおり、コロンビア独自のやし油認証制度(APS。適切な農法によって生産された製品であることを示す)を導入しています。油残渣の処理に特化した工場の開発に60億ペソ以上の投資も発表され、「環境保護と高品質の製品づくりの両立」が加速しています。

また、北部セサル県サン・アルベルト市では、やし油の投入資材として使用できるバイオ堆肥を生成にも着手。この資材の使用は化学薬品の使用を減らして土壌と環境を保護するだけでなく、植物の生産性を高めるための自然エネルギーの生成にも役立つことが想定されています。


最後にサトウキビセクターをみると、国内サトウキビ連盟(Asocaña)によると10年前の生産技術に比べ、天然資源を効率的に利用するための取り組みが加速しています。具体的にはサトウキビ栽培における水資源の適切な管理で、生産工程における水の使用量を50%削減することに成功(Asocaña)。加えてサトウキビ産業は堆肥化の導入により、作物への化学肥料使用率のゼロも達成。

これらすべて、Asocaña が研究を通じて製品の環境にやさしく持続可能な農法実践のための年間約 630 億ペソの投資によるものです。


さて、もう少ししたら多くのゲストが訪れるコロンビア・カリ市。大急ぎの舗装工事を横目で見ながら、「始まると意外にきちんと終わらせるのが中南米だよな~」と独り言ちています。COP16、成功しますように!

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