コロンビア発 パネラ(サトウキビの砂糖)の生産者向け新規プロジェクトキックオフ!
一度当地に来たことのある人なら、麦茶によく似た甘い飲み物(アグアパネラ)を口にした経験があるでしょう。大人には甘すぎるくらいですが育ち盛りの子供たちを中心に大人気。アグアパネラの材料であるパネラは、砂糖を精製せず液体のまま固めたもので、ブロック状や円錐形にされて売られています。通常飲み物やデザートに使われ、どこのスーパーに行っても必ず!!あるもの。
そんな中、当地経済紙アグロネゴシオ(2024年10月18日付)によると、当地中央部クンディナマルカ県ラ・ペーニャ地域のパネラ生産者に40億円に該当する予算規模で新規プロジェクトを開始することがわかりました。”生産プロセスの効率性向上と持続可能性を高めるための新技術の利用促進”という名目ですが、同地域の少なくとも25の小規模生産者は工場の農業インフラの改善にあたることになります。
具体的には、地域のパネラ加工工場を近代化することであり、生産工程が最適化されパネラの品質が向上し、生産者の労働条件まで改善されること。インフラの改修も含まれ、自治体における生産と農村開発の強化につなげたい考えだそう。
パネラは、コーヒーに次いでコロンビアで重要な農産物産業であります。農村開発省によると、当地では約35万世帯がこの活動に従事しており、約27万8,000人の直接雇用に相当します。
パネラ用のサトウキビは29の県で栽培されており、中でも中央部ボヤカ県、北東部サンタンデール県、クンディナマルカ県、カウカ県、アンティオキア県が重要地帯。収穫量の99%は国内消費用で、輸出用は1%にとどまる程度。
米国が主な輸出し向け国でですが、2018年以降スペインや他のヨーロッパ諸国もその風味と香りの良さからコロンビア産のパネラに関心を強めています。実際、耕作面積と1ヘクタール当たりの生産高はコロンビアをインドに次ぐ世界第2位のパネラ生産国に位置づけています。なんといってもパネラの魅力はその独特な甘さ。サトウキビを精製せずに作られるため、ミネラルや栄養が豊富で、キャラメルのような深い風味を持っています(さっき大人は苦手な甘さって言ったのに、どっちやねん)。デザートや焼き菓子にもいいし、同じくトウモロコシを練りこんだアレパに混ぜてもグー!! B級料理といっては失礼ですが、このプロジェクトを通じて日本でも早くブームがこないかな、とそわそわしています。