2024年1月-9月間 コロンビアでハスアボカドの輸出が15%増加。そのからくりとは?

メキシコ、ペルー、チリ、アメリカ、ケニア、ニュージーランドが主な産地として知られるハスアボカド(小ぶりで黒っぽいゴツゴツした品種)。中国や日本向けに冷凍アボカドの需要が増していることもあり(おそらくワカモレなどの多国籍料理普及の関係か?)、コロンビアもその波にのっています。


11月のアボカド連盟(Corpohass)発表によると、前年1月-9月間の輸出は前年同期比15.77%増を記録。これは、当地アボカドセクターの過去20年間で最も高い伸びとなりました。詳しい内訳としては同期間で10万2,376トンのハス・アボカドが輸出され、金額ベース2億1,860万ドルの規模となっています(前年比42%増)。2023年の輸出量計11万4,535トンは軽く超える、2024年12月末には数量ベース14万7000トン(前年比16%増)の輸出量達成が確実視。


アボカド輸出の好調なからくりとして、コロンビアの場合は①新しい売り先(新興国輸出し向け国)を確保できたこと、②機械の導入などの生産性向上、③長雨にならず、気候が味方したことが大きく、ラッキーな一年だったといえましょう。ちなみに国内の栽培面積は3万2,132ヘクタールで、そのうち1万2,208ヘクタールがアンティオキア県、6,956ヘクタールがカルダス県、4,966ヘクタールがバジェ・デル・カウカ県というバランス(ICA統計)


輸出先をみると、主な消費国は欧州連合(EU)です。1月~9月までに40フィートコンテナ1,182 TEU、7万4,533トンが出荷。国別にみるとオランダが第一位の輸出仕向け国であり、計4万4,288トンの大きな取引先。米国市場にとって、コロンビアは第5位の供給国にとどまっています(数量ベース2万3,964トン)。アジアをみると日本が大きな相手国であり、アジア向け全体の2,849トンのうち2,376トンが対日本。今後も存在感を増すでしょう。


アボカドは当地農業部門GDPの約5%を占める品目。ただ問題点として、水を大量に消費することによる環境負荷が指摘されています。持続可能な農業技術や効率的な灌漑方法の導入など、輸入するだけでない日本のプレゼンスも、今後必要となるかもしれません。

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