コロンビア 世界の生鮮果実輸出市場における最新ポジションと次なる一手は
当地経済紙アグロネゴシオ(2025年2月6日付)によると、世界の輸出果実市場は過去10年間世界的に成長が続いていることがわかった。2018年から2023年の年間平均成長率(CAGR)は3.4%で、減少を見せたのは2015年の-1.3%と2022年の-5%の2年にとどまっている(異常気象が原因とみられる)。
世界的にも、またコロンビアにとっても輸出量ベースでの主要作物はバナナである。しかし、売り先の欧州各国では小売店が最終販売価格を低く抑えようとする動きを見せており、金額ベースでの成長は鈍化している。コロンビアの生鮮果実輸出においてバナナは最大のシェアを占めているが(主な生産地アンティオキア県)、2023年にはエクアドルが全体の27%のシェアを占め第一位。次点でフィリピンの構成比10%、コスタリカの9%、コロンビアの9%、グアテマラの8%がこれに続く。
一方、2018年~2023年にかけて最も高い伸び率を示した輸出果物はブルーベリー、みかん、アボカド、マンゴーであった。現在、コロンビアはアボカド、ライム、ブルーベリー、マンゴーで顕著な伸びを示し輸出作物の多様化に着手したことは注目に値するが、バナナは依然として輸出作物の第一位にとどまっている。
一方、柑橘類輸出市場では中南米の存在感はまだ限定的で、スペインが24%でトップ、南アフリカが12%、中国が7%、トルコが6%、エジプトが6%、メキシコが6%とコロンビアはじめ他の中南米諸国が入り込む余地はほとんどない。これらの果物だけでなくその他についても、生鮮果物の主な輸入市場は依然として北半球の米国、英国、カナダ、中国、ロシアなどに集中している。
しかし、輸出のチャンスは生鮮果実だけではなく加工品をみよう。ブラジルは果実の加工において競争優位性を見出し、2023年には約30億ドルの加工果実と缶詰を輸出した(CAGR発表)。
コロンビアは生鮮市場で規格外となった果実の加工に付加価値をつける方針を定めており、規格外果実を選別するための機械の需要が高まっている。高性能カメラやAI画像認識を活用して果実の形、大きさ、色ムラ、傷を判別できる光学選別機等の参入が待たれる。