<コラム>今更聞けないコロンビアのペトロ政権 ~バナナ共和国に革命の風!?~

さかのぼること3年前の2022年、当地に歴史的どよめきが起きました。これまで保守政権が続いていたこの国で、ついに左派の大統領、グスタボ・ペトロ氏が就任した件について。これまで書いていなかったので、彼は一体どこから来てどこに向かっていくのかを考えたいと思います!

「え、ペトロって石油(petróleo)みたいな名前だけど、石油やめたい人なの?」と思った人います? 正解です。名前に反して、石油依存からの脱却を掲げている彼(もはや名前がツッコミ待ち。。。)。

  1. ペトロ氏ってどんな人?
    ペトロ大統領は、かつてM-19(何だかこれもM-1っぽいが)というゲリラ組織に所属していた武闘派な政治家。でも現在は平和主義者であり、演説ではよく「社会正義! インクルージョン! 平和だよ全員集合!」というメッセージを熱く語っています。
    ちなみに・・・ M-19では80年代にコロンビア最高裁を占拠して大混乱を起こした過去も。でも今では“元ゲリラ界のスピーチ王”として口のうまさは有名。

2.ペトロ政権のやりたいこと3選
-お金持ちからちょっと多めにもらいます:税制改革
ペトロ政権は、「お金持ちがもっと税金を払えば、みんなハッピー!」という考えのもと、富裕層や大企業に課税強化。低所得者層にはヒーローだけど中流以上は四苦八苦。

当然ですが経済界の大物たちは「もうコロンビア脱出するぞ!」と脅したりして、まるでドラマ『ナルコス』の経済版の模様。
(コロンビアでは、所得が多い人ほど節税スキルが高い(というか抜け道多め)なのがこれまでの常識だった)。

-農民を救え!土地改革
コロンビアでは、牛1,000頭飼える広さの土地を一人で持ってるお金持ちがゴロゴロいます。その一方で、農民たちは「お、オクラ植える土地すらない…」と涙。ペトロは「余ってる土地を農民に分けよう!」と改革を進めていますが、大地主たちは猛反発。土地問題がまたバナナの皮みたいに滑りやすいテーマに。
(そして実はコロンビア、農村部では「住所がない」人も多く、土地の登記すらできないケースも)。

-ゲリラとも話し合いましょう
ペトロ政権は、武装組織“ELN(民族解放軍)”など現在進行形で活動中の団体との和平交渉にも積極的。「銃を置いて、コーヒーでも飲もうぜ☕」がスローガン(たぶん)。

-政策、進んでる?止まってる?
ここが悩ましいところ。ペトロ政権、やりたいことは山ほどあるのですが、議会の支持率はジェットコースター並みにアップダウン。ときに同盟政党が「え、急に脱原発?聞いてないよ〜」と離れていくことも。

またメディアからは「理想が高すぎて現実がついてこない」と突っ込まれ、「ペトロ大統領、理想の高さは富士山級」といじられることも。

-市民の声は?
貧困層や若者たちは「変化が必要!」と応援する一方、ビジネスマンや中間層は「税金とインフレがキツイ…涙」と二の足を踏んでいます。しかも2023年以降大規模なデモもあり、「医療改革反対!」「老後が不安!」と、年金改革や医療制度の見直しも火種に。ただ、生活者として言わせてもらうとこれはコロンビアのお家芸なのでペトロ政権が理由にはならない。

  1. 今後どうなる?
    ペトロ大統領の任期は2026年まで。本人は「国を根本から変える」と意気込んでいますが、現実は官僚の反発・議会の壁・治安の悪化・経済の不安定さという四重苦。
    その道のりはまるでジャングルの登山道。バナナの皮に滑ったり、議会という大蛇に巻きつかれたり、毎日が波乱万丈です。それでも、「笑われても、前に進む」。もしかしたらペトロさんの本当の武器は、銃でも改革でもなく、「あきらめない根性」かもしれません。
    おまけ豆知識:
    コロンビアの国鳥は「アンデスコンドル」。でも今の政権、飛ぶどころか地面で羽ばたきそうな・・・。

そしてコロンビアの国民食「アヒアコ」は、政治のようにいろんな材料(芋・とうもろこし・鶏肉)がごった煮。味は良いけど、作るのに時間がかかる。どこかペトロの政策に似てますね・・・!

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