2050 年までにコーヒー栽培面積が最大 50% 減少見込み。 気象・病害虫予測アプリに商機

世界的なコーヒー輸出国として知られるコロンビアで、今後30年は試練となりそうだ。当地農業経済紙Agronegocios(2022年8月1日付)によると、世界的な気温上昇と降雨量の変化によって起こるさび病のまん延により、場合現在全国で栽培している約93万1,746 ヘクタールの土地が最大半減する可能性があることがわかった。


現在全国約 55万5,692世帯の生産者家族がコーヒーを栽培しており、首都ボゴタ周辺の高地で収穫していることもあり、ほとんど機械化は進んでいない。人手が求められるため家族で代々継承する産業でもあり、安定的な作物の収穫はコロンビア農業の死活問題でもある。


コロンビア政府も手をこまねいているつもりはないようだ。国をあげて効率、生産、持続可能性(環境的に)を見直しており、新しい技術導入にも意欲的である。その一つが「コーヒーさび病対処と中米生産力向上の統合プログラム“Programa integrado de combate a la roya del café y recuperación de la capacidad productiva en Centroamérica”」である。その中で生産者が圃場上のデータを迅速かつ効率的に集めるスマート農業を導入することとしてあり、気象情報とその対応に特化している。GPSを通じてさび病発令のリスク条件等がまとめられており、意思決定プロセスに貢献できるようになる。


一方、同システムが公的資金を使って全国コーヒー農家に配置することは現実的ではなく、危機感やリソースに応じて各生産農家(特にスペシャリティコーヒー)が取り組むほかない。日本の栽培管理システムを保有する会社にとって、コロンビアコーヒー農家とのビジネスがより近くなるかもしれない。

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