コロンビアで収穫されるサトウキビ、60%が黒砂糖(パネラ)用途で32%が白砂糖に。
現在国内31の県でサトウキビ栽培に適した土地あり、外国企業のビジネスチャンスとなるか。
コロンビアの歴史は、サトウキビ栽培の歴史でもあることは知られている。
スペインからの入植者がこの国に到着してからわずか 20年後(1510年)にはサトウキビはパナマ国境であるダリエンのプランテーションで栽培開始され現在も継続。その用途としては主に白砂糖用、黒糖、バイオエタノールの燃料等が挙げられ、Asocaña(サトウキビ生産者連盟)によると2021年のみでバジェ県カウカ川では約17万,687ヘクタールの用地がある(サトウキビ栽培は温暖な気候条件があるため、コロンビアでもバジェデルカウカ、カウカ、リサラルダ、カルダス、キンディオ、メタの 6つの県の 51 の自治体に集中)。この地域のみで計 127 トンのサトウキビが収穫できる。ちなみに、国内第三の都市カリの空港(於パルミラ市)から10分も走ればサトウキビ畑が広がり、日本人は自動的に「ざわわ、ざわわ・・・」とつぶやくになっている。
Procañaによると、サトウキビ用地24万1,000 ヘクタールのうち75% は独立農家、25% は製糖企業所有農家である。そのうち18万1,000ヘクタールを所有しているのは4,500の大規模農家、1,100農家は10ヘクタール未満を所有し、大多数となる65%の生産者は 60ヘクタール未満で栽培している。サトウキビの安定生産では、繁忙期の人員確保やより一層の作業効率化・省力化が重要であり、機械化一貫作業体系が基本と考えられる。コロンビアではこのような用地面積の格差があり、零細農家にとって重機導入が拡大への要といえそうだ。
農業省、農業農村計画局 (UPRA)によると、栽培可能なサトウキビは国内280 万ヘクタール以上あることがすでにわかっており、7万人以上のサトウキビ生産労働者と 2万を超える関連工場が国内で主にハチミツや黒糖を製造するなど、国家としてもサトウキビ産業の衰退は許されない。主に生産が集中しているのは前述した6つの県だが、それ以外にも計28の県、511 の自治体に分散しているため、全国の生産量は毎年1.0トンを超える。繁忙期のオペレータ不足(労働力確保への取り組み)、当地ではまだ根付いていない土壌診断結果に基づいた石灰資材などの施用可否やその方法、に自己資金で中古機械を導入する場合の修繕フォローや貸借システム等、国の補助事業に頼らざるを得ない状況が続きそうである。
半面、日本企業にとっては日本南部のサトウキビ生産での経験から、植え付けから収穫まで機械設備の外国投資、作業省力化(株出し管理や肥培管理)など、ビジネスチャンスといえそうだ。