「だから言わんこっちゃいない」を抱きしめて。
2022年10月、正式にSENA(国立職業学校)と米粉クラスを開講しました。メール一本で始まったこの案件も、担当者とカフェで話し込み、一度お試しでやらせてもらい、担当講師の選定、履歴書もいただき、待ちに待った本番。現時点の計画は今年いっぱい6回のクラスを開催し、その間に来年度の仕込みをしていくというもの。本件は「コメ農家に嫁いだ女性達への社会的活動」というミッションのほかに、SENAとコラボするのは「低所得層で学習意欲のある若者への一助となるなら」という思いがあってこそ(SENAは全額無償の教育機関)。関係者は万感の思い・・・というより、まあフットワーク軽く「やってみましょう!」という雰囲気。
講師に「いつリハーサルする?」と相談すると、「材料費が高騰して実際の講習以外では使えなくなった。なのでぶっつけ本番でいいよね」というメッセージが。慌てて彼の上司に「料理教室で当日いきなり作って教えるなんて無理ですよ」と掛け合いましたが、「あなたたちのレシピ動画観てわかるって言ってるから、大丈夫!」というお気楽な回答。材料費負担するので我が家で作ってみないか、それが難しいなら必要経費は出すのであなたの自宅でも・・・等提案しましたが結局まとまらず。
でも、10年住んでるとわかるのです。彼はリハーサルしたくないのだと。面倒だし自分はできると思っている。最後のほうはとりあえず言われた通りにやってもらおうと腹くくりました。それが一番早いから。イヤイヤ期の子ども対応と似てるわ・・・と思いつつ、当日です。
生徒の集まりもまずまず。材料だけ書かれたレシピ(初歩的なクッキーとロールケーキの2作品)を手に講師が軽く説明し(事前に米粉の特質について説明してね、と言いましたが安定のグルテンフリー一点張りでまあそれはよしとしよう。私が次回から資料をまとめればいい)、
計量からスタート。
時間がかかりだしたのは混ぜる工程。日本のレシピだと、粉がしっとりしない。早速動画とは違います。私が試作したコロンビア産米粉のメーカーの担当者は情報を照会しておきましたが、SENA側は違うメーカーの米粉を購入したようで、やってみないと分からない。スペックとは違う粉が入っている可能性もあるので、粒子をさわってみて、色を比較して、水で溶いてみないと分からない。
米粉はいくら混ぜてもグルテンが発生しないので、混ぜたいだけ混ぜればいいのですが、それにしても生地がまとまらず。失敗の予感しかしません。このころには「クラスが失敗した場合、講師はどのようにフォローし挽回するのかを見たい」一心で見守ります。
生地はしっとりふわふわにはならず、若干固め。これを無理に巻いて、中のクリームもだらんという有様。商品にはなりません。
クッキーも、何とか絞りだすところまでは頑張りましたが(オリジナルレシピとは違うやり方)、思いっきり焼きの工程で失敗。明らかに油分と粉のバランスが悪かったのでさもありなんです。
ただ、焼き上がりのアツアツだと生徒が気を使って「味は・・・おいしい・・・かな?」とフォロー。「うそつけ~!!」と思いましたが、バツの悪そうな講師をみていると私もお口を慎み、翌日SENA側に今後の改善点をメールで申し入れました。今していることはきっと意味があるけど、失敗作を連続して作ればいいわけではない。間違った努力なら、しないほうがおたがいの時間の無駄を省けるはず。
コロンビアは始めるまでは運の良さで乗り切れますが、一旦開始してからの修正しながら走り続けるのが体力が要ります。
12月までにどう、彼らとコミュニケーションをとっていくか。まあ、何事も最初はうまくいかないほうが思い出になるし・・・!!と鼓舞して進めていきます。