ペトロ大統領、農地改革についてドゥケ前大統領と舌戦
12月に入り、SNS上でイバン・ドゥケ前大統領とグスタボ・ペトロ現大統領が農地改革をめぐる対立議論で話題となっている。
ドゥケ前大統領は自身のXアカウントに、政権時代の農地管理と権利化についてつぶやいたことを発端にし、ペトロ大統領は、「土地の所有化と農民に与える目的の農地の買取は根本的に違う」と噛みついた。
前大統領は自身の政権時代に、全国1万4167区画に相当する計170万ヘクタール以上を国の管轄団体に所有化している。「これは同団体の保有する総ヘクタール数の88%に相当し、このうち80万7,259ヘクタールが143の自治体に割り当てられた」という。
ドゥケ前政権では実際に、国の管轄を通じて合計72万7,482ヘクタールが引き渡され、2万4,627世帯の小作人が恩恵を受けた。(その前のサントス政権では22万6,830ヘクタールにとどまっている)。
すなわち、現在ペトロ政権が実施していることはあくまで自身の政権時代の二番煎じであり、多くの用地の権利書は自身の政権時に発行されていると強調したのである(NDP 2018-2022)。
一方ペトロ現大統領は、現政権が実施している農地改革(土地所有権の再分配)は、すでに農民家族、先住民、またはアフロ・コミュニティが存在する土地であり、大平原や人の居住しない(できない)場所とは条件が異なると反論している。。「和平協定では、700 万ヘクタールの権利付与が義務づけられており、その多くはジャングル地帯にある。権利付与のプロセスでは、所有権の変更はなく、所有権が正式に付与されるだけです」。
農地改革の根幹は、大地主から買い取った土地を農民に引き渡すことである。「ここで所有権が変わり、土地所有権が民主化される。2016年発効した和平協定では300万ヘクタールの買取を要求したのに、ドゥケ前大統領は1万7000ヘクタールしか達成できなかった」と反論している。
コロンビアの農地改革は、ゲリラとの内戦によって土地を追われた農民に対するソーシャルインクルージョンの側面をもち、違法作物栽培から足を洗い、いかに所得を向上させるのかがカギとなる。コロンビアの初の左派政権は、あらゆる厳しい視線にさらされながら政権運営にあたっている。