第二回米粉ワークショップ開催!@イバゲ
トリマ県に出張しています。
高温注意報が出るほどの暑さに辟易しつつも、元気に人と会って仕事。来るたびにこの街がなじんで、今や路線バスも乗りこなすほど(居住しているカリやボゴタでもめったに乗らないというか、乗り方わからないのに・・・)。このコンパクトな街がしっくりくるのか、本当に楽です。
そして、目玉であるコロンビアにおけるコメの育苗・水管理・気候変動対応生産技術移転と高付加価値バリューチェーン構築にかかる案件化調査(長いっ! 寿限無!?)のおこめファンづくり活動の一環で、米粉ワークショップを開催しました。今回は第二回、イバゲにあるおしゃれな健康食品カフェ33Avesを選定。パートナーである地域稲作農協Serviarroz, 精米企業Proarrozの加盟農家10名をお招きしました。33 Aves は約2年前にイバゲで営業開始したカフェで、普段は小麦を使用したハード系パンやミローハケーキ(当地では有名なキャラメルとパイのケーキですが、こちらのは見た目も味も一線を画しています!)で地元民の人気店となっています。
こちらがお願いしたことは3つ。
①地元農家の女性に、米粉の吸水性の違いや扱いのヒントを理論で説明してほしい。
②家で再現できるレシピにしてほしい。
③今後何らかのイベントで製菓を出展することを見越して、地元の材料を使用してほしい。
オーナーでパティシエのラウラ・セリ氏とは打合せで概ね合意していており、メニューはおこめクッキー、アレパ(発酵なしのおこめ薄焼きパン)、にんじんケーキに決定。参加者の枠もあっというまに埋まり、当日は15分前に全員集まるなど関心の高さをうかがわせます。(もう集まってるから始めたいワタシ、10時きっかりに始めたい店側にたしなめられる始末。。。失礼しました)
まずは米粉理論です。なぜ、米粉で代替したお菓子は失敗しやすいのか? 日本の米粉は片栗粉のように粒子が細かく、色も精白されていますがこちらの米粉は製粉技術がまだ追い付いていない。でんぷん損傷が激しいために、膨らむことが難しいという理論を小麦粉と比較して学びます。また、「米粉だけでは膨らまない」という前提条件も必須。生地を膨らませる副原料を混ぜること、その選び方や効果を理論で叩き込みます。
そして次のクッキー作り。米粉のクッキーでは食感が大事。食感は粉と油分で決まるので、バターと砂糖、粉、シンプルでいてコツのいる作業。やわらかすぎるよりも、しっかりして食感で粒の甘味が感じられる作品を目指します。
クッキーを寝かせている間に取り組むのはアレパ。南米の定番料理も、トウモロコシ粉ではなく米粉で作れるんだそう。大切なのは4種類のチーズとコーンスターンチを入れること。あっという間に生地が完成し、オーブンへ! その後フライパンで焼き目をつけ、オーガニックバターをのせて完成です。
最後はにんじんとナッツのケーキ。Ave 33の人気メニューレシピを堂々と盗みます。機械の関係でアレクサンドラ講師のデモ。もちろんコロンビア人が黙ってみているわけがなく、質問したり「こないだうちで作ったときはね…」なんて話は脱線の一途。でも、楽しく学べるならそれがベスト!
全てがおいしく完成しました。初対面でもおしゃべりしながら、しっかりと吸収する。生きることは食べることとはよく言ったもので、口に入るものからエネルギーってわくんだなぁと実感するおいしさでした。全身タトゥーの講師ラファエルが、「次はバゲットをやろう!」と最後の締め。講師も参加者もハッピーな姿を見て、「こういうのがやりたかったんだよなぁ」と独り言ちたイベント、大成功でした。