コロンビアのコーヒー殻の最新再利用方法とは?
FNC(全国コーヒー生産者連盟)によると、コロンビアでは84万5,000ヘクタールがコーヒー栽培用地(そのほとんどが機械化導入が難しい傾斜の用地)に使用されており、約55万世帯がコーヒー生産に従事しています。年間を通してアラビカ豆を栽培していますが、基本的にコーヒーチェリーの種子のみが使用され、籾殻と果肉は廃棄されるため、大量の廃棄物が発生する。このコーヒー殻のバイオマスは年間78万4,000トンと推定され、再利用されるのはわずか5%となっています。再利用といっても基本的には堆肥(窒素を含んでいるため)のみで、有機化合物に生産し直す・・・というところまでは到達していませんでした。
ところが最近になり、当地国立大の研究グループ ”Aprena(Aprovechamiento Energético de Recursos Naturales)”の研究者たちの牽引により特に再生可能エネルギーに変換しようとする動きが始まりました。
具体的には、コーヒー殻を「水熱変換(Hydrothermal Conversion: 水を利用して物質を高温高圧下で化学反応させるプロセス )」させ、500mlの容器に10gのバイオマス(コーヒー殻)と90gの水を入れて混合することになります。180度~260度の温度と20メガパスカル(1平方インチ当たりの力ポンド)までの高圧力で処理され、液体と固体に分離することができるそう。
それが一体どう活用できるかというと、まず①重金属や染料など、水中の汚染物質の除去への応用。研究者は現在、この物質をボゴタ川流域の水質改善に応用したい意向を表明しています。
糖類(6.7%)と、ギ酸(Formic acid, 14.6%)、レブリン酸(11.4%)、ヒドロキシメチルフルフラール(1.4%)といったその他の化学化合物も確認された。 これらは、②バイオ燃料や工業・医薬品・食品材料などの付加価値製品の合成の基礎となるんだそう。触媒を利用すると、もっと使い道が広がるんだとか。
このようなコーヒー殻の再利用を呼び水に、コロンビアのクリーン技術と持続可能なエネルギー開発はますます活発化していくことになりそうです。