コロンビア・ワユ族が漁獲するグアヒーラ産のロブスター輸出の現状と課題

当地といえば畜産(年間約100万トンの牛肉生産)及び酪農大国(年間約7,000万~8,000万リットルの牛乳生産)で知られ、いずれも国内の重要な産業として輸出の拡大も進められている。それでも、まだ漁業の可能性は知られていない…。もともと日常的に新鮮な魚を食べる食習慣がない上、漁獲技術も追いついていないのが現状。そんな中、国内コロンビアの最北端に位置するグアヒラ県(県都・リオアチャ)でロブスターの輸出に取り組む動きがみられている。

カリブ海に接する同県では、年間を通じて乾燥した亜熱帯気候を生かし(砂漠あり)、さまざまな海の食材に恵まれている。そして先住民が多く住んでおり、特に沿岸のそばで生活しているのはワユ族だ。彼らは、コロンビアとベネズエラの国境であるグアヒラに住む最大の先住民族であり、国境を自由に超えて活動する約50万人の先住民である(公用語 ワユー語)。

グアヒラのロブスタープロジェクトはビタエ・サヌ・コロンビア社(創業約5年。シーフード輸出に着手したベンチャー)はじめ民間企業が中心となっているが、彼らのビジネスパートナーとして欠かせないのが実際に漁獲するワユー族であるという。ワユー族の獲ったロブスターを、9人で構成された民間企業のチームが国際基準に適合させるため、製品の品質を保証しながらも下処理、冷凍、包装の工程を踏んでいるそうだ。実際に初のコロンビア産ロブスターとして、カナダや米国向け輸出を2024年から開始。ビジネスでありながらワユー族コミュニティを守る活動も並行して実施しており、Win-Winの経済活動になるという。


ロブスター生産工場は県都リオアチャにあり、現在毎日約300キロのロブスターが加工され、約500キロが2週間毎にカナダのモントリオールとアメリカのマイアミに輸出されている。


最大の課題は、コロンビア国内に資材がないことである。ロブスターを運搬できる冷蔵用資材はマイアミから輸入しており、より安価で扱いやすい運搬資材のニーズは日々増大している。また長期的にはグアヒラ産ロブスターを養殖する動きも始まっており、フランス人講師を招いて研修も行ったという(同社)。


国内の販売はこれからで、高所得者やシーフード愛好家の多いボゴタ・メデジン向けに国内市場に参入する。これが好評ならばロブスター以外にもマダイやスズキなどにも展開させたい意向だ。


コロンビアではまだ新鮮なシーフードを食べる食習慣が諸外国に比べて育っておらず、国内市場より先に輸出品として漁獲されるようになった。今後は国内で愛好家をつくる活動とともに、ワユー族と協力してサステナブルな漁業のためのMSC認証(持続可能な漁業認証)やヴィーガン向けシーフード代替品などの新たな分野開拓が求められるかもしれない。

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