中国との関係強化が進む中で、日本はコロンビアとどう向き合うべきか ~新たな経済連携のビジネス戦略~

2025年5月現在、コロンビアのグスタボ・ペトロ大統領は、中国との経済関係強化に舵を切っています。中国・CELACフォーラムへの参加、「一帯一路」構想への支持、さらにはエネルギー、交通インフラ、通信分野における中国資本の積極的な受け入れは従来の米国一辺倒の外交経済路線からの転換が現れています。ブラジルやチリもこれに続いており、中南米における中国の存在感が一段と増す事態に。


このような情勢下において、日本はコロンビアとの関係性をどう再定義したらいいのか? 従来の「距離的遠さ」「市場規模の限界」などを理由に中南米への進出が限定的であった日本企業にとって、これはむしろ中長期的なビジネスチャンスとなるかもしれません。


コロンビアは米州自由貿易協定(FTA)を軸に、既に日本ともEPA(経済連携協定)を締結しており、関税障壁の低さや知的財産保護制度など、投資環境は比較的整っています。また、中国の投資がインフラや鉱山・エネルギーといった大型インフラビジネスに偏る一方、日本は①技術移転型の協働(もっと小さい投資規模。中小企業レベルでの技術導入や人材育成を伴う「パートナー型投資」など)、②地域密着型支援(JICAなどを通じた草の根レベルの開発協力)、③アグリフード分野での強み(食品加工、スマート農業、食品安全管理などコロンビアで需要のある分野)が今後戦略的分野として際立ち、日本のビジネスチャンスとなりうる。つまりコロンビアの豊富な農産物(コーヒー、バナナ、米、アボカドなど)と日本の高度な食品加工技術のマッチングによる、付加価値商品の共同開発・輸出(例:米粉製品、発酵食品)を促進する、「開発型ビジネス」が鍵となります。

単なる商取引よりも、教育・社会的インパクトを意識した「共創モデル」が評価されやすくなるのかもしれません。例えば今弊社が取り組んでいる「コメ×教育×食育プロジェクト」のような…。


中国が広範な影響力を築きつつある今こそ、日本はwin-winの「相互補完的なパートナー」としての地位を築く好機と思います。日本人への憧憬や信頼が強い国だけに、これまでの確かな技術力で中国勢をうならせ、新しい日コロ関係をつくりたい、そのためには地道な一歩から…と微力ながら貢献していく所存です。

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