コロンビア農業を強化するイノベーション

コロンビアは近年知的財産分野で進歩を遂げており、大学の研究センターから企業の開発部門までこのメカニズムに注力し特許出願を行っている。2020年だけでも商工業監督局に対し2,121件の申請があり、今年の1月から9月の間には1,566件の申請を受け付けた。

これらの特許の中にはコロンビアの農地やアグリビジネスのプロセスの改善を目指すイノベーションもあり、今回紹介するRotor iMack、SIS-BAC、Sikonblendのように既に周辺国に輸出されているものもある。

天然繊維分野に注目

フアン・セバスティアン・チラマックがエアフィト大学で工学修士号を取得し始めた時、彼は天然繊維の抽出を最適化するローターの開発に取り組みたいと考えていた。2015年に最初のプロトタイプが完成し、2016年に特許を取得した。

「この機械は天然繊維の効率的な抽出を可能にし、同時にエネルギー消費も抑えます。さらに繊維を25%以上多く抽出することが可能です。」とチラマックは指摘した。

このイノベーションは バナナ、プランテンやパイナップルのような他の製品の繊維抽出にも採用されている。同様に、その利点は製紙やオートクチュールなどの他の業界でも導入が検討されている。

現在彼らはメキシコで事業を行っており、またエクアドルとブラジルでも市場拡大を継続したいと考えている。

作物強化のための有機刺激剤

2010年、Biológicos Estratégicos S.A.S.社は様々な作物で栄養素の一部として利用されるシリコンをベースとした製品の開発に取り組み始めた。この研究により、殺菌剤として機能しつつ、ほかの有機刺激剤と混合可能なSikonblendの製造につながった。この製品はいかなる影響や汚染を起こすことなく土壌を調整できる。

このイノベーションはトマト、ジャガイモ、コメ、野菜、バナナそして花の農園でテストされ成功を収めている。「私たちはシリコンの安定した配合を作り出す必要性があり、製品の開発に取り組み始めました。なぜなら現在の液体シリコンの配合は非常に不安定なのです。」と同社ゼネラルマネージャーのニコラス・エストラーダは説明した。

現在、この発明はクンディナマルカ、アンティオキア、サンタンデール、ナリーニョ、そしてアラウカの作物に使用されている。さらにドミニカ共和国とグアテマラへの輸出も行われている。

農村部の飲料水

約20年の間、コロンビアパイロット大学(Universidad Piloto de Colombia)の教授・研究者であるウィリアム・ロサノは、農村地域における排水処の低コスト化のための一連のイノベーションに取り組んでいる。

このPTS SIS-BaC衛生設備技術パッケージは、シリーズもしくは個別に機能する4つの技術を想定しており、排出される廃水の90%近くの浄化が保証されている。

「これらの技術は地方のいかなる土地、例えば下水設備や給水設備のない場所でも適用することが可能です。」とパイロット大学研究員のレオナルド・ネウサは指摘した。

これは、様々な種類の水や地域で既に導入された技術に対応して機能することを意味する。

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