精米会社Arroz Supremoがコロンビア北東部カサナレの自由貿易地区で大幅生産開始へ
2022年7月27日、Arroz Supremoは、当地北東部カサナレの自由貿易地区ヌンチアの自由貿易地区(免税措置のある投資奨励地区)内の新規精米所を操業開始する。その背景には2030年優遇措置が切られる米国とのFTAに向けた、競争力獲得への思惑がある。
首都ボゴタから約450キロメトロ、陸路で約10時間の道のりの先にあるその自由貿易地区内の精米所は約760億ペソの投資によって設立された。同社は、「コロンビアだけでなく中南米全域から技術や環境への配慮(企業的責任)が求められている。加えて水稲を収穫後精米に至る各段階でゴミやちりを完全に吸引すること、サイズ別に厳格に選別し袋詰めすることを期待する農家の声があり、このおかげで2018年にコロンビアで初めてISO 22000食品安全認証を取得し、来年はISO14000環境管理認証を取得する予定である」と胸を張る。同社は最も均一にコメを選別する精米機能を獲得しているという。
またコメの生産能力について、Arroz Supremoはトリマ県にベナディージョ、エルエスピナル、イバゲの計3つの精米工場を持っているため、精米レベルは月間1万トンで収穫時には計約6,000トンの水稲を農家から購入することが可能になる。これは2万2,000ヘクタールに相当し、カサナレの米の収穫量全体の約15%に相当する。
コロンビアのコメ買取価格は常に当地農業の揉め事であるが、7月に入り生産者連盟と農牧省が保存米のメカニズムについて合意に達し、農家への買取価格が保証された。ウクライナ情勢により肥料価格が約70%から80%高騰していた状況についても終わりが見えてきた、と政府は分析している。
このような同社の新規精米所操業と生産量の増加に対する投資は、2011年締結した米国とのFTAのコメ関税引き下げが終了する2030年までに競争力を獲得する目的が理由にある(2030年以降、米国産コメは関税撤廃の状態でコロンビア市場に出回る見込み)。
今後8年間で、コメ含む多くの農産物は米国発コメの輸入が自由に流通できない状況下でいかに競争力をつけることができるかが課題である。同社は、8年後輸出力をもつコメの生産に向け企業努力を続けるという。