コラム 「私はヴィンテージなのよっ!」

コロンビアの閣僚の確認しているとき、79歳のセシリア・ロペス農業大臣のTwitterのトップが「ババアって呼ばないで! 私はヴィンテージなのよっ! 原文:¡vieja no, Vintage!」と書いてあり吹きました。でもすぐに、「大臣になって年齢のこと言うなとまず書くなんて、いやな目にも遭ってきたんだろうな」ともう一度アイコンを見ました。

Twitter


海外ではよく年齢と歯を尋ねることは失礼と言いますね。コロンビアも御多分に漏れず、特に女性に対して人前で「おいくつですか」なんて聞く人を見たことがありません。というより、尋ねる理由がないのです。肌の色(南米で一番混血度が高い)、経済格差(エストラトと呼ばれる社会経済階層制度あり)、靴や香水の感じで、相手がどのようなバックグラウンドを持ち、どう見られたがっているかが浮彫りなので、たとえ目尻にカラスの足跡が目だっても、その人がミニスカを履いて髪をストレートになびかせていれば、20代として扱うのがマナー。日本以上に見た目重視の国なので、実年齢に重きをおいていないことも大きいのでしょう。


また、日本では業務上、年齢がわかることである程度の役職を想像できるのですが、こちらは一度正規雇用されても3年以内に辞める人が大多数、現在何らかの雇用の恩恵を受けても70%が転職活動中というデータもあるので、仕事上年齢を聞くメリットもない。私が教習所で書類を埋めていたとき、お腹のでたおじさんが直々に「分からないことがあったら何でもきくように」と話しかけてくれたので、外国人なので珍しがってくれてるのかと合点していたら、下働きの雑用係でした。


ただ、女同士のおしゃべりでは自分から「私は来年40だからもう2人目なんて無理~!」というカタチから分かることもあります。あと、タクシー等の限られた状況で「うちの子どもが・・・」と話していると、「悪いけどあなたいくつ?」と質問されることもあり。アジア人は若くみられやすいのは世界共通です。
農業大臣は79才。いわゆるキャリアの国家公務員を経て早い時期に政界に転身したプロの政治家であり、晩婚のためほぼ仕事に捧げたキャリアだったでしょう。人生百年とはいえ一般的に「おばあちゃん」年代の彼女が現役で閣僚を引き受けるまでの道のり、幾度も鞍替えした政党を思うと、女だから得したことも損したことも想像できないくらいあった気がします。日本の付き合いのような同性でつるむ文化はないとはいえ、男性に囲まれて仕事をする、独身(彼女は50才過ぎて結婚)なので仕事で結果を出し続けないと支持者に顔向けできない、女性の意見も反映しないと肩身が狭い・・・。家庭も仕事もどちらもやりますという若い女性も台頭してくる。SNSトップの「私はヴィンテージなのっ!」にこめられた気持ちは、彼女の道のりそのものだと思います。

コロンビア初左派政権のファーストレディ、ベロニカ。
常にロングヘアをなびかせて女アピールをする当地に珍しく、ショートカットがとてもお似合い。

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