<コラム>アンデス山脈を越える10時間のドライブで見えたもの
2023年明けましておめでとうございます。
日々発見、あっと驚く展開、プレッシャー、喜び、意気消沈と目まぐるしかった2022年が終わり、振り返る間もないまま年が開けました。コロンビア本社、日本支店と2つの法人を維持して細々と(ここ強調)やっていると、本気で全世界の社長さんを尊敬します。大学時代バイトしていたパン屋の社長、あのときは嫌ってたけどアンタはえらいっ! 毎日6時に出勤してパンこねてたよな~っと思い出して手を合わせたくなります。そしてつくづくつんくはすごい。12月はみんなも社長さんもWow Wow Wow Wowしたくなりますわ。
普段会社員やっていると、会社を存続させる孤独感やプレッシャーは感じにくい。もし私が学生にアドバイスするなら、一度3年働いて、5,6年自分でベンチャー立ち上げてまわして、もう一度組織に入り直すのもアリと思います。その後の働き方がぐっと変わってくるので(ただし、一度フリーランスの働き方を覚えると、今ノマドもこれだけ広まっているし会社員に入るメリットは少ないのですが。もし期間限定なら・・・。)
2023年の会社としての目標は、「2022年に蒔いた種を育てる。そして、今年も別分野に播種する」でしょうか。一つに固執すると頓挫したときツラいので、また多くの仕事は3つに1つうまくいけばいいので、たくさんのカードをもつようにします。
コロンビアは新大統領の体制に入り2年目となり、税制改革や国家的なインフラ工事も大詰めとなります。この国の成長スピードに負けないよう、弊社も精進していきます。
さて、12月のコロンビアはほぼ休暇でオフィスも気もそぞろなのですが、初めて10時間かけて陸路でメデジンを目指しました。カリからまず263km, 4時間半先にあるマニサレスへ。温泉で有名なコーヒー地帯にある場所。ここを通る有料道路は「コロンビアで一番走りやすい」と言われる箇所で、飛ばし屋の私も腕が鳴ります。平の道をカッとばし、反対車線の渋滞を横目にほぼオンタイムで到着。国内で一番大きな教会を見てテンションがあがります。
問題は翌日。213km, 5時間の道中に向けて朝7時に出発。雄大なアンデス山脈を見ていると、本当に南米大陸というのは緑の絨毯に荒々しい山をドカドカ置いていることを実感します。神々がつくったとしか思えない絶景、人間の考える尺ではおさまりきれない大きさに言葉をなくします。そしてまたこの大地にトンネルを通し、道路を舗装することのスケールの大きさよ。これを見てしまったら、「物流が整っていない」など、軽々しく口にできない。キツネ、アライグマ、イグアナをはじめ、見たこともない数々の動物注意標識を見て、2時間ほど経過するとついに一か所目の通行止め。先で工事しているので一車線ずつ通行します。さすがに疲れた運転手たちが炎天下で外に出てそわそわ待ちますが、20分も経過するとあきらめムード。物売りのポテトチップが飛ぶように売れます。あと何分で通行できるのかお知らせもないため、ひたすら待つこと40分。ようやく順番が来て流れ始めました。それが10分の待ち、同5分と2,3回あり景色を見ながらひたすら耐えました。
計10時間の道中では、引っ越しと見まごう荷物を上に乗せて走り去る家族、バイクでモーターサイクルダイアリーズの若者、エンストしたのか路肩で茫然と立つ先住民の家族・・・。色んな人生模様を目にします。「あんなに飛ばして、どこ行くんだろう」「おっ、同じカリナンバーだ」と言いつつ、携帯の電波も届かない山の中を進みます。あとから滞在先で立ち話すると、三世代で車で旅行する家族の何と多いことか。
本当にこの国は、家族の結びつきが強い。年末年始も帰省しない親不孝者ですが、せめてこの月は道を譲ることで親孝行させてほしい・・・と願うのでした。