<コラム>コロンビア産ブルーアロワナ 観賞魚の国際ビジネスに参入なるか

ベネズエラとの国境に接するオリノキア地域のビタ川、トモ川でブルーアロワナという魚が自生しているのをご存知でしょうか。恐竜時代の数千万年前からその姿は変化しておらず、中国では龍魚と呼ばれ縁起ものとして観賞用に人気があるそう。体長15 ~ 20 cmの稚魚には単価が 5,000 ドルを超えるものもあり、最近になってコロンビアでも輸出に向けた研究が進んでいるそうです。

アロワナはいくつも色もあるそうですが稚魚一匹あたり平均1ドルもしないシルバーに対してブルーは同10ドルと10倍以上の価値があるそう。その理由は主にアジアで幸運のお守りと考えられていること(加護、豊かさ、知性を象徴)。成魚になると長さは90センチに達することもあり、悠々と泳ぐ様はまさに「龍魚」。一度は見てみたいものです。

一方、当初単なる食用魚だったアロワナは、繁殖の遅さ等から「絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約」(CITES)の対象品目となったことで稀少価値が注目されるようになりました。それゆえ、コロンビアでは売買目的の捕獲は広く禁止。当地水産養殖協会は環境当局であるAUNAPに対して条件を満たした上で捕獲許可をとり、研究目的として飼育・養殖しながら、合法的に輸出できるようチャンスを見計らっています(当地農業経済紙Agronegocio, 2023年1月10日付)。

輸出対象品目のため、明確な統計はないものの、コロンビア熱帯魚輸出協会 (Acolpeces) によると、年間に2,000 ~ 3,000 匹のブルーアロワナが対外的に取引されているとの情報もあります。観賞魚ビジネスにコロンビアがどう参入していくのか、CITESの線引きをどう打開してビジネスにもっていくのか注視していきます!

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