バナナ粉、輸出向け不合格作物の活用から地域のムーブメントとなるか?

コロンビアで輸出に適さないバナナを製粉し、売り出す取り組みが始まりました。

バナナは当地農業で最も安定した取引作物であり、作付面積は5万3,318ヘクタール。主にアンティオキア県、マグダレナ県、ラ・グアヒーラ県、セサール県で栽培されており2022年には1億800万箱(一箱=20kg)が輸出されています(金額ベース8億9,100万米ドル)。

しかしコロンビア国立大学(UNAL)によると、収穫されたバナナの25%は輸出に適さないいわゆる不合格作物に該当し、国内市場で流通するのが慣例となっています。不合格とはいえ輸出用バナナとしての品質を満たさないだけで、傷もなければ病害虫もゼロ。大きさも問題ありません。
そこでUNALの研究者達が、国内向けバナナを利用して、高タンパク質でメリットのある粉の生産に着手しています。余剰バナナを国内の食料安全保障の観点から小麦粉の代替製品に利用できないかという”Tecniban"という取り組みです。

バナナ粉を製粉する工程では、まずバナナを消毒し、皮をむき、クエン酸溶液に入れ、摂氏55度を超えない温度で約6時間乾燥させます。製粉工程では、スクリューと温度制御装置を使い、より消化しやすいデンプンレベルと高いビタミンAとビタミンDの含有量を持つことができるそう。

Tecnibanは中小規模の生産者に別の収入源を生み出すことも重要な目的であり、廃棄物ゼロ生産とグリーンエコノミーの枠組みの中、バナナの果肉を製粉するだけでなく皮から良質なタンパク源である食用キノコを生産する別の戦略もあるようです。

その背景として、研究者が警鐘を鳴らしているのはバナナ栽培地域の高い貧困率。コロンビアの貧困層はタンパク質摂取も低いため、グルテンフリーで小麦粉製品の代替となるバナナ粉が現地で加工し、消費できれば栄養価向上にも資するとの考えです。

Tacnibanプロジェクトには3つの段階があります。第一段階は分析、第二段階は生産者への普及、そして最後は、ディストリビュータを見つけて流通チャンネルにのせること。

面白いのは、研究者達が「地元産のバナナが食糧危機を解決するために使用されることを、地域社会にどう理解してもらうか」というテーマに心を砕いていること。
単にバナナを粉にするのではなく、皮からキノコを栽培しようとしたり、生産者の第二の収入とするだけでなく地域住民にムーブメントを起こそうと奮闘しているさまは、ドラマティックでもコロンビアらしい挑戦ともあります。

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