コロンビア 全国コメ評議会会合が進行中 高付加価値化は進むか?

当地で、国民の主食として重要な位置を占めるコメ。2021年の1人当たりの年間コメ消費量は43kgで2015年の39kgから増加傾向。また地産地消の作物でもあり、2022年の生産量は2,620,100トンとなっています(FEEARROZ)。栽培面積も約45万ヘクタール(コロンビア穀物栽培では最大の面積)であり、コロンビア全体の約30%に相当します。しかし、灌漑設備の不足や生産コストの高さなどの課題に直面していることも事実。特に資材や水代など生産コストが近隣諸国と比較して高いため、生産性の向上と高付加価値化が喫緊の課題となっています。
そんな中毎年2月恒例の全国コメ評議会の臨時会議が開催され、FEDEARROZ (全国稲作生産者連盟)をはじめとする米生産関係当局が一堂に会し、討議が進んでいます。
最大の関心事は、
①国内のコメ生産者により良い条件のコメ買取価格を提示できるか?
②コメ生産動向を定期的に監視するための横の枠組みを超えた専門委員会を毎月開催し情報を分析・共有することはできるか?
③現場の生産者たちは直接栽培チェーンに関する播種計画、資金調達、灌漑地区管理、植物検疫管理、認証種子使用実施などの共通プラットフォームにアクセスができるか?
④全国各地にあるコメ品質検査機関の利用をいかに促進できるか?
特に③については、新たな精密農業の取り組みとして、農村開発省のスキームによる一括プラットフォームの具体的な利用方法が確認され、収穫の最適な時期を決定し、流通の前に栽培米の全体的な品質をはかることができるようになります。
イバゲ産コメの産地認証米はすでにリリーズされているものの、競争力向上の一手となるのは地理的表示(GI)やブランド米の開発。そしてスマート灌漑システムの導入。コロンビアのコメ農業では特に水管理、土壌管理、機械化による省力化が重要になります。2025年の評議会結論が待たれます。