コロンビアのウチュバ輸出が初めて4,000万米ドルを突破

過去7年間において、食用ほおずきウチュバは当地の最も重要な果物としての地位を確立し、バナナ、アボカド、タヒチライム、パッションフルーツと並び、2024年数量ベースでの輸出量トップ5に入ったことがわかりました。
当地経済紙アグロネゴシオ(2025年3月7日付)によると、2024年ウチュバの輸出額が初めて4,000万米ドルを超え、累計4,350万米ドルに達しました。前年比約9.4%増となり、ここ数年のウチュバの輸出拡大傾向が続いていることを裏付けています(DIANおよびAnaldexの分析)。ちなみに同作物は2017年には2,780万米ドルの輸出額を記録、それ以降も成長を続けた結果2024年の4000万ドル超えとなりました。
主要な売り先をみると、主に欧州と北米です。中でもオランダは最大の輸入国であり、輸出額は2,550万米ドル(全体の58.7%)。次いで米国が660万米ドル(15.3%)、ドイツが350万米ドル(8%)、ベルギーが160万米ドル(3.7%)、カナダが140万米ドル(3.4%)と続きます。特にドイツとイギリスでは需要の大幅な増加が見られ、それぞれ70.3%、113.2%の成長率を記録しました。オランダも前年比2.1%の増加にとどまったものの、引き続きコロンビア産ウチュバの最大輸入国となっています。
ウチュバは国際市場で魅力的な商品であるだけでなく、コロンビアにとって大きな経済的・社会的な機会を提供する作物でもあります。2024年の時点で、コロンビアは世界のウチュバ生産量の94%を占めており、2.7%のペルーや2.9%のエクアドルを大きく上回っています。
主要な生産地域はボゴタ、クンディナマルカ、アンティオキア、ボヤカ、カルダスであり、ナリーニョも重要な輸出拠点の1つとなっています。地場企業には、Frutireyes S.A.S.、Colombia Paradise S.A.S.、Frutas Comerciales S.A.、Comercializadora Internacional Caribbean Exotics S.A.S.、Novacampo S.A.S.などがあります。Analdexのウチュバ輸出委員会ディレクターであるカルロス・ロサノ氏は、ウチュバの成功は偶然ではなく、毎年約10%の堅実な成長を続けた結果」と評価しています。
また、ウチュバは商業的なポテンシャルだけでなく、高い栄養価でも注目されています。最近の研究(European Journal of Nutrition, MDPI – Nutrients)によると、ウチュバにはインスリン代謝を改善する効果があり、糖尿病予防の助けとなる可能性が示されています。
加えてウチュバの生産には多くの人々が関わっており、その収穫・選別作業には大きな労働力が必要です。2024年には8,000トン以上のウチュバが検査対象となり、厳密な品質管理が求められます。この作業には多くの女性(特にシングルマザー)が従事しており、クンディナマルカ、ボヤカ、アンティオキア、ナリーニョの各地域で重要な雇用機会を生んでいます。
ウチュバの成長は続いていますが、さらなる国際市場での認知向上が課題といえます。ロサノ氏は、「ウチュバの栄養価や機能性、料理での多用途性をもっと広めていくことが必要です。それが年間輸出成長率10%超えという目標を達成するための鍵となります」と指摘。
需要の増加と業界の成長を背景に、コロンビア産ウチュバは今後さらにグローバル市場での存在感を高める果物として期待されています。この動きは、コロンビアの農業に新たな可能性をもたらし、国際市場での競争力をさらに強化するものと思われます。