米国トランプ政権による10%関税がコロンビアのアボカド輸出に与える影響

今月に入り、米国トランプ大統領がコロンビア農産品に10%の関税を課すと発表したことが大きな余波をよんでいます。その中で最も影響を受ける品目として挙げられるハスアボカドは、国内アボカド連盟コルポアス(Corpohass)ベルヘル代表は木曜日、この措置はコロンビア産の競争力に直接影響すると警告しており、特にコロンビア、ペルー、その他のアボカド輸出国が10%の関税を受けるのに対しメキシコが対象外とされたことに強い不公平感を表明。確かに、当地のアボカド輸出の50%は米国向けであり、欧州での市場開拓が困難が増す中重要な顧客となっています(アボカド産業は現に約7万9,000人の正規雇用を生み出し、17県250市町村で24万人以上の人々の収入源でもある)。


加えて懸念されるのは、ハス・アボカドがコロンビア農業で最も稼ぎが大きいということです。DANEによると2024年の市場売上は3億ドルを超え、2023年比54.3%増となりました(主な生産地アンティオキア県、リサラルダ県、バジェ・デル・カウカ県。特に後者は、中国を主な売り先とし2023年の1,700万米ドルに対し2024年には5,000万米ドルの売上を達成。つまり1年間で輸出額をほぼ3倍に伸ばした恰好。アンティオキア県も2023年~2024年の間に42.1%の伸びを示し、輸出額が8,310万ドルから1億1810万ドルに増加)。


現在、コロンビア産アボカドは米国市場で約3〜4%のシェア(メキシコが約90%)に過ぎず、メキシコが関税ゼロの特別措置がとられている限り、10%関税を課せられているコロンビアは不利な状況におかれます。またその関税分を一体誰が負担するのか? という点も見過ごせず、関税10%を輸入業者が負担しない場合輸出業者や生産者がコストを吸収することになり、利益が減少。


もしくは米国向け輸出が減れば、コロンビア国内市場や他の輸出先(欧州、アジア)に頼る必要が出てくるでしょう。
コロンビアはこれから、価格競争力の低下、輸出量の減少、生産者の利益圧迫といったリスクに見舞われます。長期的対策として米国向け以外の市場開拓はいう間でもなく、FTAを活用した関税ゼロの市場へのシフト、ブランド価値向上(オーガニック、プレミアム戦略)の戦略をとる必要があると思います。

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