【現地レポ】ボゴタで開催された「第1回 日コロンビア農業及び農業投資に関する合同委員会」に出席しました。

日・コロンビア両国の関係者との意見交換後

2026年4月、ボゴタにおいて、農林水産省とコロンビア農業・地方開発省の共催による「第1回 日コロンビア農業及び農業投資に関する合同委員会」が開催され、弊社メンバーも出席しました。会議では、両国の農業協力や投資・貿易の促進について活発な意見交換が行われました。

この合同委員会は、2025年9月に小泉農林水産大臣とカルバハリーノ・コロンビア農業・地方開発大臣が署名した「農業技術、投資及び貿易における協力に関する日本国農林水産省とコロンビア共和国農業・地方開発省との協力覚書(農業MOC)」に基づき設置されたものです。農業・食料分野における二国間協力を促進するため、両国政府に加え、民間セクターも参画する対話の場として位置付けられています。

なぜ今、日本とコロンビアの農業連携なのか?

世界的な地政学リスクや気候変動の影響を受け、各国では食料調達先の多様化と安定したサプライチェーンの構築が重要な課題となっています。

コーヒーやチョコレートなどの嗜好品も価格高騰が続き、大手日本企業も安定供給を確保するため、新たな調達先の開拓を進めています。

一方、コロンビアでは、小規模家族経営を中心とした農業が地域社会を支えていますが、生産者からは「気候変動による収量・品質の不安定化」「乾燥・選別設備の不足による付加価値の低さ」「販路の限定による将来投資の難しさ」といった切実な課題が聞かれました。

こうした双方の課題と期待が一致した結果、日本とコロンビアの関係は、従来の協力・援助を超え、投資や技術連携を通じて持続可能な農業を共に築くパートナーシップへと発展しつつあります。

コロンビアが持つ大きな可能性

コロンビアが注目される理由の一つは、その恵まれた自然条件にあります。

赤道直下に位置しながらも、アンデス山脈による標高差により多様な気候帯が形成されており、コメ、サトウキビ、アボカド、マンゴーなどの熱帯果樹に加え、カーネーションやランなどの花卉まで、多様な農産物を年間を通じて安定的に生産することが可能です。

また、日本とは収穫時期が異なる作物も多く、供給時期を補完できることから、世界的にも重要な農業生産国として注目を集めています。

日本にとって最大のメリットは、農産物や原材料の調達先を分散し、食料安全保障を強化できることです。また、人口減少が進む国内市場を見据え、日本が培ってきたスマート農業、品質管理、保冷物流、省力化などの技術を海外へ展開する機会にもなります。

一方、コロンビアが目指しているのは、農産物を原料のまま輸出するのではなく、加工や品質管理によって付加価値を高めることです。日本の加工技術や選別技術、品質管理のノウハウを取り入れることで、より高い付加価値を持つ農産物として世界市場へ供給したいという期待があります。

また、小規模農家の生産性向上は、農村部の所得向上や地域経済の活性化につながるだけでなく、国内の平和構築にも大きく寄与します。さらに、日本市場への輸出実績は世界市場における信頼性向上にもつながるため、日本との連携への期待は非常に大きなものとなっています。

技術だけではなく「仕組み」をつくる

カカオ生産者組合では、世界的にも高く評価されている家族経営を維持しながら、選別・加工工程の改善、病害虫対策、収穫後管理の高度化によって、ブラジルやエクアドルの大規模プランテーションに品質面で負けない競争力の確立を目指しています。

そのためには、「トレーサビリティ」や「デジタル化」といったスマート農業技術を導入するだけではなく、「誰が、どこで、どのように活用するのか」まで設計することが重要です。そのような視点こそが、日本とコロンビアの双方が求める農業技術・投資・貿易における協力の実現につながると感じました。

農業分野の国際連携は、単なる技術移転や輸出入だけでは成り立ちません。政策、生産、加工、物流、市場までを一つのバリューチェーンとして捉え、それぞれをつなぐオペレーションまで設計することが、現地の課題解決につながる真の技術協力であると、今回の合同委員会を通じて改めて実感しました。

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