<コラム>コロンビア地震と、これからの復旧

こんな亀裂が今、自宅に30か所以上ある。

2026年8月10日午前7時38分、コロンビア西部をM7.4の大きな地震が襲った。私はその前日からパラグアイ入りしており、思ったより肌寒い(南米の冬をなめていた)アスンシオンで子どもの上着の心配をしていたら、いきなり無事を訪ねるメッセージがボゴタの友人から来た。何のことだろうと思っていたら、メデジンに住む友人からも着信、そして絶え間のないメッセージ。「どこにいる?」「無事?」「揺れたね、怖かったね」「大丈夫?」。ただ事ではないと報道を確認すると、コロンビアで大きな地震が起きたことが分かった。ベネズエラ地震からさほど間も空いておらず、血の気が引いた。

次々に安否を確認する連絡に返信して、たまたま前日からパラグアイにいることを伝えると口々に「Gloria Dios!(神の栄光よ)」と全てのコロンビア人が安堵してくれた。いつもいるカリにたまたまいないことがこんな申し訳ない気持ちになると思えず、当然だけれど自分達が離れた場所にいることを到底喜ぶこともできない。

引越しを検討していて、内見できるか問い合わせたアパートが倒壊リストに入っていたときの衝撃。隣人のおばあちゃんが犬と眠れない夜を服を着て過ごしたと聞いたとき、「私達がいつも通りいれば一緒に避難して助けてあげられたのに・・・」と思ったこと。数日は、パラグアイの開放的な景色を見ても、楽しみにしていたトウモロコシ粉のスープを食べても、古い建物が多く残る6taの街並みやよく見るホームレスのお兄さんの安否ばかりが気になり、とても集中できなかった。

8月25日現在、少なくとも319人が亡くなり、4,500人以上が負傷。住宅は約16万3,500戸が損壊、そのうち約3万戸が全壊した。学校や医療施設、道路、橋、水道など、生活に欠かせないインフラにも被害が及んでいるし、私ももうすぐ査証の更新だけれども、必要な書類(対面必須)が移民局の閉鎖で入手できず見通しも立たないのでどうしていいかわからない。

自宅にはすでに2回、建築エンジニアが訪問し、地震の付帯保険がどの程度適用されるか今度見積りが計上されることとなった(日本と同様に全壊もしくは半壊が対象になることが多く、構造上の亀裂が多数走っている家屋は保証対象外となるかもしれない)。スーパーマーケットには多くの寄付が集まり、特に清掃用品やトイレットペーパーが重宝されているという。

眼をそむけたくなることに、同じ通りでもひび一つない建物がある一方で、壁が大きく崩れたり、建物そのものが損傷したりしているケースがある。単純に「揺れの強さ」だけでは説明できない、建築方法の違いや手抜きが見てとれる。

でもさ、難しいよね。めったに地震がない(70年に一度の頻度)、でも発生するとM7程度の規模という国で耐震基準をつくることは、素人が考えてもどうやってルールを作り、守らせていくのか判断が厳しい。天災の多い日本とは全くシステムが異なるし、防災意識もそこまで高くない(高くてもめったに起こらないからそのテンションを維持できない)。普段、せいぜい避難訓練が義務づけられている程度なのだ。そして、その自然災害の少なさと気候の温暖さがカリの魅力でもあった。

今回、ありがたいことに日本からもさまざまな支援が始まった。

日本政府はJICAを通じて緊急援助物資を供与することを決定。支援物資には、テント、毛布、スリーピングパッド、ポリタンク、浄水器などが含まれています。被災した方々が避難生活を送るために必要となる物資が、現地へ届けられる予定である。

また、8月25日からは日本赤十字社による「2026年コロンビア地震救援金」の受付も始まり、被災者への救援や復興支援、防災・減災活動などに活用される。

また、8月29日に開催される「Colombia Japan Fes in Zushi」では、熊本と今回のコロンビアの地震を受けて被災者支援のための募金活動が行われる。https://www.facebook.com/events/%E9%80%97%E5%AD%90%E6%96%87%E5%8C%96%E3%83%97%E3%83%A9%E3%82%B6%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%83%AB/colombia-japan-fes-in-zushi-829-%E3%82%B3%E3%83%AD%E3%83%B3%E3%83%93%E3%82%A2%E3%81%A8%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%AE%E3%83%95%E3%82%A7%E3%82%B9%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%90%E3%83%AB/1037672201974577/?locale=ja_JP

復旧と復興は異なると、日本ではよく言われる。

亀裂の入った家を建て直すこと、仕事を取り戻すこと、子どもたちが学校に戻ること(うちの子は一週間遅れの8/31より新学期再開)、水道や道路などのインフラを復旧すること。そして、地震への不安や恐怖を抱えながら、少しずつ生活を取り戻していくこと。

コロンビアで暮らす一人として、できる範囲で必要な人に支援をしながら復興するぞ!と思う反面、カリにはすでにいつもの日常があることも伝えたい。

子どもたちの笑い声が聞こえ、車が走り、人々が仕事をしている。そんな日常が流れている。

被災された方々が一日も早く安心して暮らせるようになりますように。

そして、日本から届く一つひとつの支援が、遠く離れたコロンビアの誰かの明日につながりますように。

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